キャッチボールは「手を使わない」 “見せない形”で激変…イチロー氏の投げ方指導術

更新日:2026.07.03

文:尾辻剛 / Go Otsuji

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イチロー氏がキャッチボールを実演…小中学生に投げ方&捕り方の極意伝授

 キャッチボール上達の鍵をレジェンドが示した。マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏は6月27日、東京都新宿区のMUFGスタジアム(国立競技場)で行われた体験型スポーツイベント「第2回 イチロー DREAM FIELD DAY(ドリームフィールドデイ)」に参加。キャッチボールの実演と指導も行い、小中学生にポイントを説明した。

「投げる時、目標となるのは相手の胸です。そして、実は手をあんまり使わないのがポイントです。上半身は力が入っていない。リラックスした状態で、ボールを軽く握っているだけです。使っているのは足。下半身を使って投げて、腕は勝手についてくるイメージです」

 軽快なフットワークで実演するイチロー氏に、小中学生は「うわ~っ」「速い!」と騒然。子どもは球を握った手に力が入りがちで、強く腕を振ろうとする場合が多い。実際には上半身の力を抜き、下半身主導で動くことで、全身を使って投げられるようになる。「これを覚えると疲れない。ずっと続けていられる」と、体への負担も少なくなるという。

 もう1つ強調したのが、リリースの瞬間までグラブ側の肩を開かないこと。左右の肩のラインを目標に向けて一直線にする意識で「相手に対して胸を絶対に見せない形をとるようにしよう」と力を込めた。

「それができていないと、強い球を投げられない。コントロールもつかない。腕も走らない。いいことが何にもない。だから頑張って胸を相手に見せない形をキープして投げるんです。そのワンポイントだけで全然違うよ」

 スタッフとの実演後は、参加した小中学生165人全員とキャッチボール。「おっ、いいねえ!」「ナイスボール!」などと笑顔で声をかけ、「キャッチボールは相手に気持ちを伝えられる。言葉のキャッチボールも大切なところ」と語りかけた。

投げるのも打つのも同じ「上半身にはあんまり力が入っていません」

投げ方を実演するイチロー氏【写真:藤岡雅樹】

 参加者の中には野球初心者もいたが、経験者には「片手で捕るようにしよう」と助言。野球を始めたばかりの頃は両手で捕球するように指導されることが多いが、慣れてきたらグラブを動かせる範囲が広くなる片手捕球が次のプレーにつなげやすい。捕球の際にはグラブは大きく動かさず「ボールの方から入ってくるイメージ、優しいイメージで捕ろう」と声をかけていた。

 キャッチボール後はティー打撃も実施。日米通算4367安打を放った世界最高の安打製造機の実演には子どもたちはもちろん、引率した保護者も大興奮だった。ここでもイチロー氏は「上半身にはあんまり力が入っていません。下半身をしっかり使って打つ。投げるのも打つのも同じです」と説明。バットを持つ腕には必要以上に力を入れず、下半身主導がポイントであることを強調した。

 室内練習場のトラックで短距離走を披露した際にも、「膝を上げないように意識して前傾姿勢を保つ感じ。野球の走り方です」とした上で「上半身には力を入れていない。腕が勝手に振れるイメージで走っている」と説明。投げるのも打つのも走るのも、全て大切なのは下半身の使い方であることを繰り返した。

「成功体験は気持ちがいいもの。でも、野球は失敗することも多い。特に打撃は失敗が多くなる。うまくいって気持ちいい状態になることもいいことですし、失敗して学ぶことができるのも、スポーツの大きな魅力です」

 成功しても失敗しても成長につながる。だから子どもたちには、野球でも何でもいいから好きなことを見つけて取り組んでほしい。それがレジェンドの願いだ。

読んで理解したら、次は動画で習得する

 キャッチボールは野球の基本でありながら、正しい投げ方・捕り方を身につけるには、実際の動きを映像で確認しながら反復することが上達への近道です。記事で紹介したような練習法や考え方を、映像で確認しながら習得したい方は、First Pitchが連動している野球育成動画サービス「TURNING POINT」(ターニングポイント)をご活用ください。

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