
全日本学童大会の東京第1代表…船橋フェニックスの森下貴斗選手と大野凌駕選手
剛腕&強打を兼ね備えた“ツインタワー”を軸に、東京勢初の日本一に挑む。“小学生の甲子園”「高円宮賜杯 第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」の東京都予選決勝は6月13日、府中市民球場で行われ、船橋フェニックス(世田谷区)が延長7回タイブレークの末に、8-3でレッドサンズ(文京区)を破り、第1代表として、2年ぶりの全国大会出場を決めた。勝利の立役者となったのは、打っては1、2番を担い、投げては共に球速120キロ前後を投じる森下貴斗選手と大野凌駕選手(ともに6年)だ。
鮮烈な一撃だった。初回先頭の森下は、左打席から豪快にバットを振り抜いて先制のランニング本塁打。両翼95メートルの右翼フェンスを越えるかというほどの、小学生離れした特大飛球でチームを勢いづけた。投げては先発として最速119キロと右腕を振るい、打っては4打数4安打に盗塁も1つ決めた。
2番・大野もまた、打っては左打席から2本の二塁打を放つと、50メートル6.7秒の俊足を生かして2盗塁。何より圧倒的だったのは、こちらも小学生離れしたピッチングで、左腕からMAX121キロの剛速球を連発した。森下→大野→森下→大野の入れ替わり継投で計7三振を奪い、粘る相手を振り切った。
「1番打者として、打率を高めて塁に出ることを心掛けています。今日は結構、打てて良かったです」と顔を綻ばせた森下。投げても「最近は調子が良い」と制球力にも磨きがかかっているというが、ピッチング向上に役立っているのは、チームで導入しているサンドボール(プライオボール)だと言う。「重いので、体全体をうまく使わなければ投げられません」と効果を口にする。
大野もまた、「今日は起きた時から体が軽くて、絶対行けるなと思いました。キャッチボールから万全で、球速にも繋がったと思います」と振り返った。120キロを超える剛速球の要因は、アスレチックトレーナーの資格を持つ岡本隼人監督と、平日練習で体の使い方を見直してきたことだと語る。「腕の位置や胸の張り、体重移動などを意識したことで速くなっていきました」と説明してくれた。
「選手自身で考えてできるようになったのが大きな成長」と岡本監督

身長165センチの森下、170センチの大野。投打の軸であり、中堅手としての強肩も魅力の“ツインタワー”について、「大きくて速くて威力ある1、2番」と岡本監督も全幅の信頼を寄せている。
初回に豪快なランニング弾を放った森下については、「先頭打者ホームランも結構多く、チームとして非常に助かる存在」。大野については、入団した昨年の初め頃は「球は速かったけれどコントロールが課題で、試合で投げられる絵は全く見えなかった」そうだが、最終学年での全国出場という目標から逆算し、練習試合で起用しながらフォームを改善していった。「ピンチで燃えるタイプなので救援で起用しています。左であのスピードは何よりも魅力」と評価する。
とはいえ、決してツインタワー頼みでないのが今年のチームの強さだ。4回戦まで先発を担った小池拓海選手や、監督の息子・悠人選手ら投手は頭数が揃い、打っても森下、大野に続く3番を担う、粘り強さが持ち味の倉持怜央選手、大一番に強くこの日も一発を放った佐々木翔瑛選手などキーマンが並ぶ。「次の塁を狙うところなど、選手自身で考えてできるようになったのが大きな成長。多少のビハインドでも跳ね返せる」と指揮官は自信を見せる。
何より試合前練習から良い意味でリラックスし、チーム全体の雰囲気が良いのが印象的だ。6年生の大半は、岡本監督が幼稚園の頃から見てきた子たちだといい、“以心伝心”の関係が出来上がっているのだろう。もちろん森下、大野、そして監督が共通して口にした目標は「第1代表としての全国優勝」。東京勢初の悲願も、夢ではなさそうだ。
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