野球の理解を妨げるベンチから外野への“指図” 巨人Jr.流「指示待ち選手」の変え方

昨年まで巨人ジュニア監督を務めた西村健太朗氏の選手育成
少年野球の現場では、指導者の指示を待つだけになっている子どもたちを、どう導くかに悩む声も多く聞かれる。選手たちにどのような声かけをすれば自立心は育つのか。2020年から昨年まで巨人ジュニアの監督を務めた西村健太朗氏(現3軍投手コーチ)は、投手、打撃、守備の各ポジションで、選手自身に考えさせる育成法を実践したという。
投球において四球を出しても叱ることはない。本人が一番悔しいことを理解しているからだ。ただ、直球で追い込みスローボールを打たれる配球を連続したバッテリーには「何で?」と問いかける。言われた通りに投げるのではなく、打者の反応を見て、嫌なら首を振る主体性が求められる。理想は初球ストライクや先頭打者を抑えることにある。
打撃面では何を打つかではなく、初球から打てる準備を重視する。子どもたちは初球のど真ん中を見逃しがちだといい、ネクストバッターズサークルにいる時から、座りながらでも投手にタイミングを合わせるなどの具体的な準備を促す。指導者側から初球を狙えと伝えているため、積極的に振りにいって凡打になることについては、何も問わない姿勢を貫いている。
守備では特に外野手に対し、打者によってポジションを変えるよう指導する。ずっと同じ位置を守るのではなく、1球見て打者のスイングの特徴を感じ取ったら、間違ってもいいから自分で守る位置を変えさせる。ベンチから「前おいで」「こっち寄って」と指示を出せばその通りに動くが、それでは押し付けになってしまい、野球の理解は深まらないと西村氏は言う。
自分で見て動く経験を積むことで「こういう打ち方だったらこっちだったんだ」という予測ができるようになる。目先の試合で失敗を恐れて指導者が全てを決めるのではなく、子ども自身に任せることが大切だ。自分たちで考えながらプレーした経験は、その時は上手くいかなくても、この先の野球人生において必ず大きなプラスになる。
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