野球初心者に「前に出て捕れ」は不要 元プロが推奨する練習法「多くの時間を使って」

更新日:2026.06.30

文:尾辻剛 / Go Otsuji

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元ヤクルト、楽天の鎌田祐哉氏が強調する基本練習の重要性

 野球初心者の小学生に必要なことは、まずはしっかり捕って、きっちり投げる意識である。元ヤクルト、楽天投手の鎌田祐哉氏は都内で不動産会社に勤める中、会社関係でのつながりを通じ地域の野球チームから定期的に小学生の指導依頼を受けている。その際、心がけるのは基本を徹底させること。難しいことは言わず、捕球と送球が成功する確率を上げていけるようにアドバイスしているという。

「もちろんレベルにもよりますが、小学生くらいだと、まず捕球と送球の確率を上げていかないと野球にならないですよね。普通に捕って投げられればいい。練習としては捕球感覚を覚えるために、キャッチボールと内野ノックに時間を使っていいと思っています。単調な練習なので、飽きない工夫は必要ですね」

 チームとして試合をする以上、アウトを取ることが最優先。失策は野球に付きものだが「エラーしてもいいから」と、確率が悪いプレーを小学生に教えるのは時期尚早と考えている。「例えば前に出て処理する打球があったとしても、最初は無理にチャージしなくていいので確実に捕球できるプレーを優先していい」。一般的に言われることが多い「前に出て捕れ」は、必ずしも初心者には当てはまらない。

 もちろん、上達していく過程で、一歩でも前に出て捕球することは大事なこと。ステップの数が増えるなど動きは複雑になるが、待って捕球するより早く打球を処理できる。送球の距離も短くなり、打者を含めた走者をアウトにできる可能性が高まる。

 それでも小学生の時期に、あれこれ複雑なプレーを無理に詰め込む必要はない。成長とともに、いずれ自分たちで考え、身についていく技術だと意識している。

「簡単なプレーの成功を増やしていくことが重要」

ヤクルトや楽天でプレーした鎌田祐哉氏【写真:本人提供】

 最低限、必要なアウトを取るために欠かせないのが、キャッチボールと内野ノックというわけだ。「たくさんキャッチボールをして、たくさんノックを受けていれば、捕球に慣れてきて自然とうまくなっていきます」。

 単調な練習を繰り返していると、小学生はどうしても飽きてしまうため工夫も凝らす。「ゲーム感覚で遊びを入れたりします。打撃練習やゲームノックなども行い、チームの連係や仲間意識を高めていきますが、基本的にはキャッチボールとノックに多くの時間を使っていいと思います」。ボールに慣れるために守備の基礎を覚えるのが先決となる。

「もちろん、基本的な捕り方はアドバイスします。グラブの向きや使い方、低い打球がきたら腰をしっかり落として目線を下げるなど説明しています。ノックでいろんな形の捕り方を覚えてスムーズに捕球できるようになると、楽しくなる。そうすると自然に自分で考えるようになり、上達していくんです」

 最初はシンプルな取り組みが大事。「試合に勝ちたいし、いい試合をするために複雑なプレーを教えるのも分かります。でも、まずは楽しく野球をして簡単なプレーの成功を増やしていくことが重要だと思います。そのためには初歩的なプレーの成功確率を上げることが必要。だからキャッチボールとノックを繰り返すんです」。確実に捕球して、正確に投げる。それができるようになってから、次のステップに進めばいい。

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