
成長期の子どもを守る…中学硬式強豪チームの準備術
野球のウオーミングアップは、単に体を温めるだけの時間ではない。全国の強豪チームは独自の理論で、怪我予防や技術向上に向けた準備を行っている。中学硬式野球3チームの取り組みから“準備の本質”を探ってみたい。※情報は取材時
・ウオーミングアップと技術強化をどう両立させるか。
・怪我を防ぐ合理的な練習メニューの順序は何か。
・成長期の体を守るケアの方法は何か。
昨春のボーイズ日本一に輝いた「愛知尾州ボーイズ」では、ウオーミングアップとトレーニングを融合する発想を取り入れている。1時間近くかけて、体幹トレーニングやジャンプ系、実戦を想定した動きを導入。神経系を刺激し、動作のスイッチを入れることこそが準備の本質だといい、惰性で走るだけになりがちな長時間ランニングは必ずしも必要ではないという。ただし、選手たちの気持ちを統一させるための手段として短いランニングは残しており、効率だけでなく精神的な準備も大切にしている。
昨夏のポニー全日本選手権を制した「高崎中央ポニー」(群馬)では、2人1組で背中や脚を押すなど、全身を柔らかくするストレッチに時間をかけている。投げる動作には回転運動が伴うため、上半身と下半身、それに肩全体を柔らかくする必要性があるからだ。特にキャッチボール前には、肩の奥にあるローテーターカフと呼ばれる筋肉群を念入りに伸ばす。補食や水分補給も含めて、スポーツ科学に基づいた緻密な準備とケアを行うことが、勝利へとつながる道筋となっている。
創部4年で全国大会の常連となった「長崎ポニー」では、体幹トレーニングとストレッチに長い時間を割いている。午前中はボールを使わず、素振りやトレーニングなど厳しい練習を消化し、その後に実戦形式を取り入れる順序を採用。重要視するキャッチボールは、練習開始から7時間後に行うこともあり、肩が一度冷え、再び投げることによる故障を防ぐための工夫だという。無駄を省いた合理的なメニュー設計は、選手に楽しい印象を与えたまま練習を終えさせるための、細やかな配慮も込められている。
いずれのチームも、成長期の中学生に対し、怪我予防へ細心の注意を払っているのが見て取れる。理詰めで組み立てられた準備を取り入れ、選手の成長を後押ししたい。
・ウオーミングアップの中に体幹や実戦的な動きを組み込み、技術強化を図る。
・投球前に肩の奥の筋肉群を念入りに伸ばし、成長期の怪我リスクを軽減させる。
・ボールを使わない練習を午前中にまとめ、肩の冷却による故障を防ぐ。
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