少年野球で長時間ミーティングは「頭に入らない」 ID野球の申し子がこだわる“3分以内”

更新日:2026.08.06

文:尾辻剛 / Go Otsuji

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「つくばポニー」で監督…元楽天・森田丈武さんは短く・粘り強く指導

 少年野球のミーティングは、手短に終わらせる方が効果的だ。元楽天内野手の森田丈武さん(現役時代の登録名「丈武」)は現在、茨城県つくば市で野球塾「JOBU BASEBALL ACADEMY(丈武ベースボールアカデミー)」を運営し、小・中学生を指導している。監督を務めている硬式野球の「つくばポニー」では、短時間のミーティングで課題などを的確に指摘している。

「ミーティングは3分以内で終わらせます。長いと子どもたちは飽きる。集中力が持たないんですよ。15〜20分とかやって、頭に入るはずがない。もっと長い時間、ミーティングしているチームもあるようですけど、子どもには厳しい。重要なことだけを毎週、少しずつ伝えています。頭に入るまで、同じことを繰り返し伝えることもあります」

 森田さんは2008年育成ドラフト1位で楽天に入団。野村克也監督が指揮を執っていた1年目の2009年シーズン中に支配下登録を勝ち取り、同年は二塁打4本を含む20打数6安打で打率.300をマークした。いわば「ID野球の申し子」で、長いミーティングは慣れっこだが、それはプロ野球選手時代の話。小・中学生には小・中学生に合ったやり方がある。

 ミーティングでは「一流は一度ミスったことはほぼしない。二流は同じ失敗を繰り返す。三流は全く話を聞いていない」と訴えかけることもある。その教えは野村監督さながらの言い回しだ。子どもたちの理解を深めるため「全部じゃなくていいから、胸に刺さったことや、心に残ったことをノートに書かせています」と対策も怠らない。

 野球のプレー以外のことも指導する。自宅に隣接するグラウンドは、野菜などを作っていた畑を整備して転用しており、雑草が生えている箇所もある。イレギュラーバウンドなど練習の妨げになるケースも考えられ、「足元に草が生えていたら『抜けよ』と言うこともあります」という。一度だけで伝わらないと感じれば、粘り強く毎週繰り返し指導する。

「心・技・体」ではなく「心・体・技」

「一番大事なのは心」と選手たちに指導する【写真:尾辻剛】

 球が転がっていても拾わない選手もいるそうで、「落ちている球をまたぐ子がいるんです」と驚く。「なぜ拾わないのか。家でも片付けができていないんじゃないのか」と危惧し「挨拶を含めてしっかりやらせています」と普段の生活面も指導する。

「子どもたちにはミーティングで『心・技・体』じゃなく『心・体・技』だという教え方をしています。一番大事なのは心。挨拶だけじゃなく、感謝の気持ちや気遣いができるようになってほしい。それができないと体は強くならない。体が鍛えられないと技術は伸びません。もちろん、大人になるにつれ体は大きくなります。だから子どもの時期は『心・体・技』を意識してほしいんです」

 ミーティングを短く切り上げる分、練習や試合でミスした場合はすぐに指摘し助言する。「試合後にミーティングしても、子どもはどんなプレーだったか忘れている。その後のプレーに夢中ですからね。だから例えば守備でミスをしたら、ベンチに戻ってきた時に『今のはこうすればよかった』とか、すぐ声をかけるようにしています」。素早い対応で、子どもたちに上達するには何が必要なのかを理解させていく。

「子どもはすぐに飽きてしまいますから練習メニューも毎回、変えています」。練習内容もミーティングも助言も、子どもたちの未熟な部分を補う工夫を忘れない。全てにメリハリをつけて、成長を促していく。

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