打球が飛ばない原因は“角度のズレ” 遊び道具で習得…理想のスイング軌道を生む「90度」

文:喜岡桜 / Sakura Kioka

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徳島県小松島市で野球を指導するJ-PARK代表・福原芳之さん

 バットとボールがぶつかる瞬間に、効率よく力を伝えるにはどうすればいいのか。トップの位置からボールに対して最短距離で振るようにコーチングする指導者もいれば、他にも様々な考え方がある。徳島県小松島市にある室内練習場・野球塾「J-PARK」代表の福原芳之さんは、正しいスイング軌道について「基本は円です」と語る。

 福原さんは徳島商を経てJR四国へ入社し、車掌業務をこなしながら投手として都市対抗に出場するなど活躍した。「まだ社会人野球が金属バットで、ピッチャーが注目される時代でしたけど、バッターもゴリゴリの人ばっかりだったんですよ。そんな人たちに『こんなにホームラン打たれるか』ってぐらいにやられていると、なんだか気持ちよくなってくるんですよ。少年野球の頃よりホームランへの憧れが強くなりましたね」と笑う。

 JR四国退社後は徳島県へ帰還。中学硬式野球チーム「徳島阿南シティホープ」のコーチに就任すると、地域の子どもたちのポテンシャルを引き出し、吉岡暖投手(DeNA)がいた2021年には日本一に導いた。その指導は投手育成に留まらず、打撃にも及ぶ。SNSの総フォロワー数は12万人を超え、海外からも練習施設を訪れる人がいるほど注目されている。

 そんな福原さんは、打球を遠くに飛ばすには「スイング軌道」とインパクト時の「角度」が大切と強調する。「体の中心線を『体幹』と言いますが、それは脊柱(背骨)のことなんですよ。脊柱に対してバットの角度は90度。それ以外の角度では力がしっかり入らないんです」と語り、次のように説明した。

スイングプレーンを平面に…指導者・選手による“イメージのすり合わせ”も重要

打撃を実演する福原芳之さん【写真:伊藤賢汰】

「脊柱に対して90度というのは、スイングプレーン(バットのヘッドが描く軌道)を平面に保てるポイントでもあるんです。それ以外はスイングを支える重要な“軸”がズレているということですし、(芯に当たっても)、力をうまく伝えることができないんです」

 脊柱はコマに例えると回転軸であり、脊柱に対して90度を維持したままバットが体の周囲で円のような軌道を描くことで、ボールへ最大限の力を乗せられるということだ。実例として、イチロー氏がオリックス在籍時にホームベース前でワンバウンドしたボールを右前打にした例をあげ、「90度を維持することで体勢を崩されても、内野手の頭を越えるほどの力がボールに伝わる」と解説する。

 福原さんのSNSでは、練習用ギアだけでなく、手に入れやすくリーズナブルな生活雑貨を活用した練習法も紹介されている。立体的なスイングの軌道が「円」になっているか確認するには、ゴルフから着想を得たフラフープ型のアイテムがおすすめだという。

「脳内のイメージと体の動きを一致させることって難しいんですよね。それに僕が抱いて、伝えているイメージと、他の人が描くイメージが一致することもないんです。筋力も考え方も見てきたボールも人それぞれ違うから。(そのズレを補うために)いろんな道具を用いて、選手にちゃんとした理論でイエス・ノーを端的に伝えてあげるようにしています」

 バッティングに悩む子に共通するのは「筋力ではなく知識不足」。さまざまな練習法にトライして感覚を養い、説明されたことに近いイメージを描けるように引き出しを1つでも多く持つことも上達のコツである。福原さんは地元の子どもたちに限らず世界中の野球人へ、これからもヒントを与えていく。

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