“手投げ”解消の肝は胸の使い方 日本一の中学野球チームが実践するストレッチ

公開日:2023.03.24

更新日:2024.04.30

文:First-Pitch編集部

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トレーニングコーチの塩多雅矢さんは東京・上一色中など20校で指導

 年代に応じたトレーニングを提案している塩多雅矢さんは、昨夏に全国制覇を果たした東京・上一色中の野球部で投手コーチを務めている。重視するトレーニングの1つが胸郭の使い方。日常生活では胸の部分を意識的に動かす場面が少ないため、ストレッチなどを通して感覚をつかむ大切さを伝えている。胸郭をうまく使えれば手投げを解消でき、球速アップにつながるという。

 塩多さんは上一色中の野球部をはじめ、中学と高校合わせて約20校で部活動をサポート。20日に開催された野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の会員向けオンラインイベントでは、日本一を成し遂げた上一色中の投手陣への指導内容を明かした。

 体の各部位を思い通り操作できるようにした上で動きを連動させると、高いパフォーマンスを発揮できると塩多さんは考えている。投球でも打撃でも重要な役割を果たす部分の1つが胸郭。「手投げ」と言われる投手は胸を中心とした胴体を上手く使えていないという。

「力いっぱい投げても球のスピードや強さが上がらない選手は、投げる方の腕に100%の力を入れようとしているケースが多いです。投球も打撃も足から手にかけて順番に動かしますが、足と手の真ん中にある胴体を上手く動かせないと力が逃げてしまいます」

胸郭や胴体はトレーニングしなければ「意識的に動かせるようにならない」

 野球のパフォーマンスを向上させるために大切な胸郭だが、日常生活で意識的に動かす場面は少ない。例えば誰かと握手をする時、胴体を動かさず腕だけ前に出すのが一般的だ。

 だが、野球で球を投げる時は胴体を回してから腕を振り、腕のしなりや胸の張りをつくる。「トレーニングしなければ、胸郭や胴体を意識的に動かせるようになりません。日常生活と野球は違うんです」と説明する。

 塩多さんはオンラインイベントで、上一色中でも取り入れているストレッチの1つを紹介した。四つ這いになって、左肩と左側のお尻、右肩と右側のお尻を順番に近づける。この時、頭の位置を固定し、肩とお尻以外の部位を動かさないようにする。体を横に曲げる側屈という動きで、胴体だけを動かす感覚が身に付くという。

 球は手で投げるが、使うのは腕だけではない。足と手をつなぐ胸を中心とした胴体を上手く使えなければ球に力は伝わらない。日本一に輝いた上一色中の選手たちも、地道なトレーニングを重ねている。

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