外野だけの子は「高校で厳しい」 中学軟式王者がこだわるキャッチボールの“1歩目”

文:磯田健太郎 / Kentaro Isoda

XFacebookLineHatena

“春の全国王者”桐生第一中が磨く「1歩目のこだわり」

 何気ない毎日の積み重ねが、揺るぎない実力になる。3月に行われた中学軟式野球の全国大会「文部科学大臣杯 第17回全日本少年春季軟式野球大会ENEOSトーナメント」で初優勝を収めた桐生第一中(大会当時は「桐生大附属中」、4月に校名変更)の齋藤健子郎監督は、キャッチボールで意識すべき“習慣”が実戦での失点阻止に直結すると語る。創部3年目で日本一に輝いたチームが、日々徹底するこだわりとは。【記事下の動画を参照】

 手際よくウオーミングアップを済ませ、キャッチボールに入る。短い距離でスナップスローの動きなどを確認した後、各々のペースで少しずつ距離を伸ばしていく。形式としては一般的なものだが、桐生第一中が徹底して取り組むのは、「投げ手のリリースに合わせてステップを踏むこと」だ。

 齋藤監督は背景を語る。「守備での“1歩目”の意識を高めるために行っています。キャッチボールは捕ってから投げる動きに繋げることを意識しがちですが、試合の守備でもインパクトに合わせて動かないといけません。リリースに合わせて動こうと思えば、その前から準備するようになります」。

 普段から1歩目の準備を怠らない意識は、実戦での失点阻止に直結する。その後のシートノックでも、齋藤監督は「どのバウンドで捕るか」を重視する。「どうしてもノックは打球を捕ることにこだわるじゃないですか。それよりも、チーム全体で“何バウンドで捕るか”の感覚を合わせています。バウンドすればするだけランナーはその間に進んでしまうので、必要以上にバウンドさせないことが失点阻止に繋がります」。

 重要になるのが、やはりインパクトでの打球判断。そのための普段のキャッチボールだと齋藤監督は続けた。この意識はチーム全体に浸透。ライン際の打球を回り込んで待ち過ぎてしまう外野手や、バックホームでもう一歩ゴロを待ってしまう内野手には「一個前だよ!」と、監督だけでなくチーム全体から自然に声が飛んでいた。

丁寧なキャッチボール指導にある“親心”

桐生第一中・齋藤健子郎監督【写真:磯田健太郎】

 キャッチボールをはじめとした基礎技術を磨くことには、齋藤監督の“親心”もある。「うちは外野専任の選手がいません。高校に進んだ時に外野だけしか守れない選手は、よっぽど打てるか走れるかじゃないと、なかなか厳しいと思うんです。なので、外野の子も二遊間でノックを受けたり、左利きの外野の子でもファーストやピッチャーをできるようにしています」。

 桐生第一中は中高一貫校。齋藤監督は埼玉県の公立中で長く中学生を指導し、桐生第一高でのコーチ経験もある。中学生の特性も、高校側のニーズも理解する立場だからこそ、選手の将来のためになる指導を心がける。

「普段からできることをやるかやらないかが、大きな差になると思うんです。3年生の世代はその意識がずっと強いので、ここまでの結果に結びついたのかもしれないですね」。グラウンドで機敏に動く選手たちを眺めながら、齋藤監督はつぶやく。選手たちに授けた技術は、これから先の舞台で必ず輝く時が来るはずだ。

【実際の動画】キャッチボールは「リリースに合わせてステップ」 中学軟式王者・桐生第一中が取り組む1歩目のこだわり

日本一の監督も推薦、継続率93.9%!
少年野球に特化した育成動画配信サイト

中学野球の名指導者も参加…無料登録で指導・育成動画250本以上が見放題

 野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」(ターニングポイント)では、無料登録だけでも250本以上の指導・育成動画が見放題。First-Pitchと連動し、小・中学生の育成年代を熟知する指導者や、元プロ野球選手、トップ選手を育成した指導者が、最先端の理論などをもとにした、合理的かつ確実に上達する独自の練習法・考え方を紹介しています。

■専門家70人以上が参戦「TURNING POINT」とは?

■TURNING POINTへの無料登録はこちら

https://id.creative2.co.jp/entry

トレンドワード