斉藤和巳さん「腕は振られるものという感覚」
「腕を振れ」。強いボールや速いボールを投げるために、投手をしている少年・少女は指導者から一度は言われたことがあるだろう。しかし、それは誤解を招く表現でもある。球界を代表する捕手・古田敦也さんの公式YouTube「フルタの方程式」で元ソフトバンクの斉藤和巳さんと、元ヤクルトの五十嵐亮太さんが解説した。
ボールを投げるには当然、腕を振る。だが、言葉通りに体を動かすのではない。2003、2006年に沢村賞を受賞した斉藤和巳さんはこのように説明する。
「よく『腕を振れ』と言われるが、腕だけを強く振るのはボールに力が伝わらないし、怪我にもつながる。下半身と上半身のリズムができていないといけない。腕を振ろうとすると体の開きが早くなる。腕は振られるものというくらいの感覚の方がいい」
斉藤さんは、へその少し下にある丹田を意識しながら、下半身と上半身の動きを連動させることが大切と考えている。その結果、理想的な腕の振りが生まれる。腕だけを強く振っても、ボールに力が伝わらないという。