一見「軽い」プレーでも…試してみると必ず学びが
オリックスなどプロ3球団で13年間プレーし、流れるような遊撃守備で鳴らした大引啓次さんが子どもたちにすすめる練習法がある。憧れのプロ野球選手の“モノマネ”だ。「僕らの世代で言えばイチローさん、野茂さんでしたけど『あんな人になってみたい』というところに、うまくなるきっかけがあると思うんです」とその理由を話す。
一見“軽い”と思われるようなプレーも、練習でどんどん試してみればいい。チーム練習ではなかなか難しいかもしれないが、指導者も認めてあげてほしいという。ボールを投げる手でつかみ上げて送球に移るベアハンドや、ジャンピングスローなど、やってみて初めてわかる体の使い方もある。
大引さん自身が参考にしたのは、幼いころにテレビで見た川相昌弘内野手(元巨人)の遊撃守備だった。「勢いを使って守り、投げるプレーをまねしていましたね」。守備は打球に対してスタートを切り、捕って、投げるまで全て流れの中にあるという考え方は、この時見て、まねて身につけたのだという。
小学生を対象にした野球教室で、大引さんがゴロ処理を実演してみせると「やばい!!」と歓声が上がった。見本は動画やテレビなど、あらゆるところに転がっている。うまい、すごいと思わせるプレーには必ず、上達へのヒントが詰まっている。