日本一2度のライバルチームへ“異例の移籍” 実感した強さの秘密「他ではできない」

青森山田リトルシニア・浅井宏太コーチが実践する“駆け引き”
プロ球団の下部組織で培った指導経験を新たなステージで発揮する。昨年4月から中学硬式野球の強豪「青森山田リトルシニア」でコーチを務める浅井宏太さんは以前、楽天野球団が運営する「東北楽天リトルシニア」に所属していた。同じ東北の強豪チーム間での“異例”とも言える移籍。2021、2022年の日本選手権連覇以来の日本一を狙うチームに浅井さんがスパイスを加えている。
浅井さんは兵庫県出身。仙台大時代に選手から学生コーチに転向し、大学卒業後は「子どもに野球を教える仕事がしたい」と楽天に入団した。楽天では当初、アカデミーコーチとして野球経験のない子どもを含む小学生を対象に教え、その後ジュニアのマネージャーやシニアのコーチ兼事務局長を歴任。そんな中、ライバルチームである青森山田シニアの中條純監督から誘いを受け、青森県在住の妻との結婚のタイミングも重なって移籍が決まった。
「なんでこんなに強いのかな」。青森山田シニアに対しては率直にそんな思いを抱いていた。移籍するとすぐにその強さの理由を理解した。選手は全員、青森山田中学校の生徒のため、練習だけでなく学校生活も寮生活もともにする。学校にいる監督、コーチも「週7」で選手と接する。浅井さんは「選手と一緒にいる時間の濃さが違う。他のチームではできない意識の統一ができるのが強みだと分かりました」と話す。
また浅井さんは「一緒に過ごす時間が多い分、押したり引いたりを大胆にできる。コミュニケーションの奥行きができました」とも口にする。浅井さん自身、今年から教員として担任を持っており、クラスの生徒とはグラウンド外でもやり取りをする。学校で普段の様子を見守ることができるからこそ、グラウンドであえて選手に対して突き放す態度を取り、機を見て寄り添うといった“駆け引き”をするのも可能になる。
東北楽天リトルシニアの鉄平前監督から学んだ“伝え方”

「青森山田は強いですが、全員がレギュラークラスのスーパーな選手というわけではありません。中條監督からも『うちはそれなりの子を鍛えて伸ばしていくチームだ』という話をされました。自分は楽天時代にいろんな子どもを見ていた分、それぞれの選手に合った指導方法や関わり方の引き出しは多い方だと思います」
自身の指導者としての強みも自覚している。楽天時代に名だたる指導者のもとで経験を積み、引き出しを増やしてきた。
特にシニアの監督だった土谷鉄平さんからは多くのことを教わった。鉄平さんはプロ野球で首位打者を獲得したほどの実績の持ち主。「鉄平さんの持っている指導すべきことが10あるとしたら、シニアでは3、4くらいしか伝えてないはず。それでもすべてが10につながるような教え方をしていた。段階を踏んで教える術は鉄平さんから学びました」と話すように、元プロ監督を参考にした伝え方は今の指導にも生きている。
現在は1年生やBチームを中心に指導しているため、「青森山田の野球はこういう野球だ」という基本を選手に教え込んでいる最中。それを浸透させてAチームに送り出そうと、中條監督に倣って毎日「野球ノート」で会話を交わし、遠征先から帰るバスの車内では終始ミーティングを行って意見をぶつけ合っている。選手との対話を重視し、青森山田シニアをより強いチームへと押し上げる。
読んで理解したら、次は動画で習得する
中学生ら育成年代の野球指導に役立つ練習法や考え方を、実際の動きでも確認したい方は、First Pitchと連動している野球育成動画サービス「TURNING POINT」(ターニングポイント)をご活用ください。
通常は有料会員向けの指導ドリル第1話を、無料会員向けにも公開中です。さらに無料登録だけで、250本以上の指導・育成動画が見放題。メールアドレス・Google・LINEで30秒ほどで登録できます。
育成年代を熟知する指導者や元プロ野球選手など専門家70人以上が、打撃・守備・投球・走塁・体づくりまで、上達につながる練習法を動画で解説しています。
■TURNING POINTの特徴を詳しく見る




