右打ちで結果が出ない小学生…左打者転向が活路に? 覚えたい体の特性「固定観念捨てて」

更新日:2026.05.14

文:尾辻剛 / Go Otsuji

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「右打ちと左打ち、まずは体の特性の理解を」と高島誠氏

 右利きで俊足だからといって、安易に右投げ左打ちを選択してはいけない。人それぞれ体の特性があり、体の使い方によっては左打ちに“不向きになる”選手もいるという。オリックスやMLBのナショナルズでトレーナーを務めた高島誠さんが、少年野球で右打ちから左打ちに転向するケースでの重要なポイントを説明した。

「右投げ左打ちに向いている選手は、切り替えができる選手だと思っています。足が速いとか、一塁が近いというのはどうでもいいこと。右投げ左打ちだと、投げる時と打つ時で体の使い方が逆になります。逆の回旋をしなければいけません。両方の理解が必要になります」

 現在は広島県東広島市内で「Mac’s Trainer Room」を経営し、小中高生からプロ選手まで幅広くサポート。中学硬式チーム「東広島ポニー」に携わるなど、少年野球にも密接に関わっている高島さん。「右打ちから左打ちに変える時は、回旋が変わることの難しさを理解した上で取り組んでほしい」と訴える。

 その上で意識するのが体の特性になる。高島さんは「右手・左手」「右足・左足」「腹筋・背筋」で、どちらが動かしやすいかによって選手を8タイプに分類する「パフォーマンスライン」を提唱。個々の特徴を選手や指導者が理解することが、パフォーマンス向上の一歩となるという。

 右手を動かしやすい選手は右手を、左手を動かしやすい選手は左手をうまく使ってスイングするのがポイントとなる。体重移動の足も同じだ。左打者の場合、左足が動かしやすければ左足にしっかりタメを作って打つ。投手寄りの右足が動かしやすければ、しっかり右足に体重を乗せて打つことで結果につながる。

 投球にせよ打撃にせよ「軸足でタメをつくれ」という指導は多い。ところが、投球では右足を使いやすい選手が、左打ちに転向した際に左足でタメを作ろうとすると、思うように打てないことが起きてしまう。「(左打ち転向に)何が有利とか、不利とかは感じない。右足が動かしやすければ、右足をうまく使わないといけない。左足なら左足。特性を理解した上でチョイスできるのかどうか」と高島さん。“左打者は左足に体重を残して打つ”といった固定観念は捨てるべき、との指摘である。

小学生は両打ち挑戦で「結果につながりやすい方をチョイス」

プロトレーナーの高島誠氏【写真:伊藤賢汰】

 右投げ左打ち転向が功を奏するケースもある。その一つは、右打ちでなかなか結果が出ない選手だ。「後ろ足を使いたい(右足でタメをつくりたい)と思ってやっているけど、実は左足が動かしやすいタイプでうまくはまらない子は、左打ちにすることで(後ろ足になる)左足を使いやすくなる。それでいい感じで打てるようになって救われる場合もあります」。同様に左投げ左打ちでうまく打てない選手が、左投げ右打ちに転向することも「選択肢の一つ」になるという。

 小学生の段階では右打ちが合っているのか、左打ちが合っているのかを見分けるのが、本人も指導者も難しいかもしれない。そこで「小学生の場合は両打ちにしておけばいいと思います。低学年であれば、両投げもトライしていいんじゃないでしょうか。その中で本人が使いやすい方をチョイスすればいい」と提案する。

「スイッチヒッターにさせておいて、実戦をやっていく中で、左打席の方が打つのであれば結果として左打ちにすればいい。どちらが動きやすいか、小学生は判断できないと思いますので、結果につながりやすい方をチョイスする。左に変えることでテンションが上がって頑張ってやれるんなら、それでもいいと思います」

 中学までにどちらが結果が出るのかを見極め、高校で右か左、あるいは両打ちを続けるのかを決めることを推奨する。仮に小学生で両打ちに挑戦し、中学から右打ちに専念しても、高校で左打ちに転向する時に過去の経験が生きる。

「小さい時にやっていると、昔やっていたからとスムーズに左打ちに変わることができます。球の見え方も違いますから、年齢が上がって初めてやるとリスクがあるし、間に合いません」

 体の特性を理解するとともに、小学生の時期は右も左も試してみる。こだわらずに取り組むことが将来の野球人生に役に立つ。自分の可能性を広げていくことにつながるのである。

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