少年野球で夏バテに気づく“サイン” 食事、水分補給…猛暑を乗り切るノウハウ

鍵は体重管理と食事・水分補給…夏を乗り切るための体づくり
夏バテを防ぐ食事や水分補給のポイントは、どこにあるのだろうか。夏本番を前に、育成年代の選手を支える保護者や指導者に向けたオンラインセミナー「育成年代の体づくり~保護者向け栄養セミナー」(ライブリッツ株式会社主催)が、6月21日に開催された。講師を務めたのは、巨人や森永製菓ウイダートレーニングラボなどでプロアスリートを支えてきた管理栄養士・斉藤裕子さん。コンディション管理に役立つ、さまざまなノウハウが紹介された。
夏場は小・中高生の選手にとって、コンディション管理が特に難しい季節だ。気温や湿度の上昇によって食欲が落ちやすくなるだけでなく、大量の発汗によって体内の水分や栄養素も失われる。その結果、体重が減少し、筋力やパフォーマンスの低下、さらには怪我のリスク増加につながることも少なくない。
そこで、まず大切になるのが、毎日の体重測定だという。斉藤さんは「成長期は身長だけでなく体重も増えていく時期ですが、夏はどうしても落ちやすくなります。体重の減少は、身体からのサインの1つ。早めに気づくことで、夏バテやコンディション不良への対策につなげることができます。日頃から数値を記録し、体調の変化を把握する習慣をつけておきたいですね」と、その重要性を語った。
夏バテの兆候としては、「食欲がない」「あっさりしたものばかり食べる」「冷たい飲み物や食べ物を頻繁にとる」といった状態が挙げられる。室内外の温度差による自律神経の乱れや、発汗による水分・ミネラル不足、睡眠不足などが原因となり、体調不良を引き起こしてしまう。
それらを防ぐために重要なのは、毎日の食事内容。基本は、主食・主菜・副菜・果物、乳製品をそろえたバランスの良い食事だ。「特にたんぱく質は筋肉や血液の材料となる重要な栄養素です。不足すると筋力低下や疲労の蓄積につながるため、夏場でも意識的に摂取してほしいです」と斉藤さん。
また、子どもの食欲が落ちている場合は、香辛料を使った料理や、喉ごしのよい麺料理など、食べやすいメニューを取り入れることも有効だという。斉藤さんからは「例えば、夏野菜を使ったドライカレーや豚しゃぶサラダうどん、ツナトマトそうめんなど、1品でなるべく多くの食材を取り入れた、『これなら食べられる』というメニューを見つけておくことも大切です」とポイントが紹介された。
夏場の食事は水分補給を意識したメニュー作りも大切

もう1つ、体調管理の面で重要なのが水分補給だ。特に野球は炎天下で長時間活動することが多く、知らないうちに脱水状態に陥りやすい。体内の水分が不足すると、熱中症のリスクが高まるだけでなく、集中力や判断力も低下する。「水分不足によってプレーの質が落ちてしまっても、水分補給によってパフォーマンスが向上することがデータで示されています」と斉藤さんが話すように、水分はプレーの質を維持するためにも大切だ。
練習中や試合中ばかりを意識しがちだが、それでは十分ではない。「練習や試合の1~2時間前から250~500ミリリットル程度を飲み、活動中は休憩ごとにこまめに補給することが基本です。活動の強度にもよりますが、1時間につき500ミリリットル~1リットルが目安となります。また練習終了後は疲労回復にも大きく影響するため、失った水分量を目安にしっかりと補ってほしいです」と説明した。
さらに、「食事から水分をとる」という考え方も大事だ。「遠征や移動中など、思うように飲水できない場面は少なくありません。普段の食事から野菜や果物、汁物など、水分を多く含む食品を積極的に取り入れることが重要です」。特に夏野菜には水分やカリウムが豊富に含まれており、斉藤さんも積極的に取り入れてほしいと話していた。
一方で注意したいのが、炭酸飲料やジュースなど糖分の多い飲み物の摂り過ぎだ。斉藤さんは、「糖質を代謝する際にはビタミンB1が使われるので、甘い飲み物を頻繁に摂取すると、本来疲労回復に使いたいビタミンB1が消費されてしまいます。無駄使いにならないように、摂取量や飲むタイミングには気を付けてほしいですね」と注意を呼び掛けた。
夏場のコンディション維持には、こうした日々の積み重ねが欠かせない。体調の小さな変化を見逃さず、食事・水分補給を大切にし、猛暑の夏を乗り切る土台を作っていきたい。
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