
スポーツ専門理学療法士が解説…低学年でもできるお勧めセルフケア法
少年野球で避けたいのは、肩や肘の怪我だ。体が小さく、ボールを投げるための筋力が弱いことや、正しい投げ方が定着しないまま投げ続け、痛みが出てしまうことが多い。選手自身や保護者、指導者も前兆に気づけず、発覚が遅れることもある。一方で、適切なケアを施せば、そのリスクは大きく下がるという。小学生が自分で怪我を予防できるセルフチェック法について、理学療法士・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの谷口修也さんに話を聞いた。
谷口さんは、スポーツリハビリを専門としている。自身も高校まで野球のプレー経験を持ち、普段は福井県内の総合病院で勤務しながら、週末は自身で4年前に立ち上げた学童野球チーム、「福井メディカルベースボールクラブ(FMBC)」で活動するなど、医療従事者と野球指導者の2つの視点を併せ持っている。FMBCのインスタグラムでは、怪我予防に関する谷口さんの知見を余すことなく発信し、注目を集めている。
十数年以上、少年野球選手のリハビリをサポートしてきたプロとして、谷口さんは明かす。「小学生の怪我は、その大半が骨の怪我です。中でも、肘の内側の骨を痛める野球肘がほとんどを占めています」。親が異変に気づけず、選手自身も違和感を放置してしまい、症状が重くなってから病院を受診することも少なくないと語る。
そこで谷口さんが勧めるのが、小学生が自分でできる簡単な3つのセルフチェック法だ。
【1】肘の内側を押して痛みがないか
【2】肘を曲げて指先が肩につくか
【3】肘が真っすぐ伸ばせるか
いずれかの動きで痛みがある場合は、骨に異常が出ている可能性が高く、谷口さんはすぐに病院受診を勧めるという。
一方で、低学年の選手はそもそも痛みに気づきにくいことや、筋肉痛や打撲の痛みとの違いが分からない場合もある。その時にお勧めなのが、患部を叩いて確認するチェック法だ。
握りこぶしを作り、肘の周りを自分でトントンと叩いていく。もし響くような痛みがある場合は骨に異常がある証拠だ。膝や肩、踵にもこのチェック方法は転用できるといい、野球肘だけでなく、成長期の怪我を防ぐ可能性が高まると話す。
小学生には伝え方も重要…情報発信で守る子どもたちの未来

「医学的には叩打痛(こうだつう)と呼ばれる方法なのですが、低学年に伝えるときは『ゲンコツパンチ』とか『猫パンチしてみよう』と言うのが分かりやすいです。練習後、子どもたちに『みんなでトントン叩き合おうよ』とセルフチェックを促しやすいのもいいところです」
小学生には、特に伝え方に細心の注意を払う。谷口さんは、リハビリで正しい投げ方を指導する際にも「肘を上げて、と言うとイメージが抽象的で、真面目な子はかえって上げすぎてしまうこともありますし、一人ひとりで程度が変わってきてしまいます。なので『敬礼のポーズを作って』のように、イメージしやすい言葉で指導しています」と話す。
「指導者、保護者の情報リテラシーが高まらないと、怪我で苦しむ子どもたちは減りません。今後もSNSで分かりやすい怪我予防の情報を発信していきたいですね」。健康にプレーする子どもたちを一人でも増やすために谷口さんの歩みは今後も続いていく。
【実際の動画】小学生にお勧め…肘の怪我を見抜く3つのセルフチェック 理学療法士が解説
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