長曽根ストロングスはなぜ強豪? キャッチボールも工夫…“球際の差”を生む実戦練習

全日本学童大会で連覇、V9を遂げた長曽根ストロングス
学童野球の日本一を争う「高円宮賜杯 第46回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」は13日、愛媛・松山市の坊っちゃんスタジアムで決勝戦が行われ、長曽根ストロングス(大阪、以下長曽根)が2年連続9回目の優勝を飾った。長い歴史を誇る“小学生の甲子園”で、9度の頂点は他を圧倒する数字だが、強さの要因は何か。練習量で「勝利にこだわる」姿勢とともに、中・低学年のうちから実戦を意識する土台作りにもポイントがあるようだ。
小学生チームの主力となるのは一般的に最高学年の6年生だが、連覇を果たした長曽根は、早い段階からレギュラーを獲得した子が多い。吉見憲眞主将(6年)、山田蒼選手(6年)、岡林優志選手(5年)は、5年生、4年生だった昨年も優勝に貢献。吉見、山田蒼は今大会でも1、2番で打線をけん引し、岡林は4番の主軸を担った。
チームの総監督でもある熊田耐樹監督は、育成システムについて次のように説明する。
「全日本が終わったら私が(翌年の主力になる)5年生を指導しますが、4年生以下も各学年に監督が付きます。週2日の平日練習が入ってくるのは4年生から。各学年の監督さんはフラットな目線で指導してもらえるよう(保護者ではなく)OBに依頼をし、4〜5人の熱心な保護者の方たちに手伝ってもらう形です」。“量”にこだわるのは4年生以下も基本的には同じだといい、「厳しさの中にも楽しく。各学年の指導者さんが責任を持って教えてくれているので、上(の学年)につながってきます」と語る。
そして、下の学年から意識をさせているのが“実戦”につながる練習だ。4年生の監督も務める近藤竜コーチは、「キャッチボールも止まって投げるのではなく、動きながら短い距離で投げるボール回しの形で行います。15メートルくらいの距離から始めて、20メートル、塁間程度まで徐々に伸ばしていく。距離を短くすることで肩肘への負担も多くありません」と語る。
長曽根は打力のイメージが強いが、守備にも早い段階から力を入れ、ノックも数をこなさせる。「常に足を動かしながら、体を動かしながらプレーすることは下の学年から教えています」と近藤コーチは説明する。
「難しい打球でも、最後まで諦めずに追いかける」と吉見主将

低学年から築いた土台があるからこそ、日本一を決める大舞台でもプレッシャーで怯むことがない。船橋フェニックス(東京第1)との準決勝、多賀少年野球クラブ(滋賀)の決勝ともに、相手が守備のミスから失点をした一方、長曽根は堅実な守りでゲームの流れを渡さなかった。
内野の要、遊撃を務める吉見主将は、打っては準決勝で2安打1打点。決勝でも追撃の犠飛に、守っては難しい深い位置の打球も確実にさばくなど、再三の好守でチームをもり立てた。
「打球への入り方を常に練習で意識することで、守備はだんだんと上達しました。難しい打球でも、最後まで諦めずに追いかけることも普段から意識してきました」と吉見。「連覇できて最高です。中学に入ってからもチームを助けられる選手になりたい」と笑顔を見せた。
「外野の難しい飛球に勇気を持ってダイビングキャッチをする、飛び込むことを怖がらないのは、うちでは当たり前。でも、戦ってきている相手チームには、いいものを持っているのに、もう1つグッと踏み込めない、捕れる打球なのに捕れない、そういう甘さが見えることがある。ボールを怖がらない長曽根の姿勢を評価してくれる指導者・保護者の方もいるんです」と熊田監督。地道な基礎練習で磨いてきた“球際の強さ”。それもまた、9回目の頂点の大きな要因だった。
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