捕手のスローイングの“無駄”を省く 盗塁阻止に生きる…プロも導入する「リズムトレ」

体重移動の感覚を習得…捕手の送球にも生きるリズムトレ
送球は腕を使った動作に見える。しかし、体全体を使う動き、さらに“リズム”が重要になる。野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベント「キャッチャー育成講座」が9月30日に開催され、キャッチャーコーチとリズムトレーニングの専門家が講師を務めた。一見関係がなさそうな、リズムを捕手の練習に取り入れることで、送球の強さが向上するという。
捕手育成をテーマにしたオンラインイベントでは、キャッチャーコーチの緑川大陸さんとスポーツリズムトレーニング協会マスタートレーナーの関元崇志さんが講師に招かれた。2人はそれぞれの専門知識を組み合わせ、捕手の動きを取り入れたリズムトレーニングのメニューを考案している。
リズムトレーニングはリズム感を高めることで、運動パフォーマンスを向上させるもの。野球界でも認知度が高まっており、練習に取り入れるプロもいる。関元さんは「小・中学生もプロも、体にリズムを入れることが大事です。リズムを入れた上で、体で表現する。そこから、実際の野球の動きや捕手の動きにどんなリズムを入れたらいいのか、緑川さんと話し合いながら進めています」と説明する。
例えば、捕手の送球もリズムと密接に関わっているという。盗塁を防ぐためには、捕球から送球まで無駄を省いてスムーズに、効率良く球に力を伝える必要がある。送球の強さが欠ける場合、体重移動に課題がある捕手もいる。関元さんはリズムトレーニングによって、改善するケースも多いと話す。
「どうやって体重を乗せるのか、どのタイミングで体重移動するのか、その感覚をつかめると送球に結びつきます。スローイングは腕や肩の使い方を意識しがちですが、体を使って最後に肩や腕に力を伝える動きです。リズムトレーニングで体の使い方が分かってきます」
リズムトレーニングは指導者にもメリット

現役時代は捕手としてプレーし、現役引退後は小学生からプロまで幅広く指導する緑川さんも、考え方は同じ。腕の力に頼っても力強い送球にはつながらないと指摘する。そして、「体の中から生み出されるリズムに乗れるようになると、より体を使ったスローイングができます。スローイングは結果。リズム良く体全体を使った結果、良い送球がいくという捉え方です」と、その効果を語る。
2人は選手だけではなく、指導者にもリズムトレーニングを勧めている。緑川さんは、捕手を始めたばかりの選手には、指導者がトスした球を捕るところから始めるように提案している。投手の球やマシンの球をいきなり捕球させると、恐怖心や怪我につながる可能性があるためだ。
「怖さがある選手にはトスから始めて、段々距離を長くして、最後に試合のスピードに挑戦するのが良いと思います。トスする大人の役割は大事です。大人がリズム良くトスできるようになると、捕手は心地良く練習できます。そうしたリズムを身に付けるためにリズムトレーニングは効果的で、リズムが体の中に入るとトスも上手くなります」
捕手の動きを含む野球につながる体の使い方が身に付き、指導にも生きるリズムトレーニング。狭いスペースや屋内でもできるメリットもあり、チームに取り入れる価値がありそうだ。
読んで理解したら、次は動画で習得する
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