パパコーチが埋めるチームの“隙間” 球拾いでは「もったいない」…不可欠な役割とは

更新日:2026.04.14

文:内田勝治 / Katsuharu Uchida

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多賀少年野球クラブ・辻正人監督「パパコーチは“お手伝い”ではなく指導者」

 少年野球の現場で、パパコーチがボール拾いや草むしりなどの雑用に追われている光景は珍しくない。ただ、多賀少年野球クラブ(滋賀)の辻正人監督は「実にもったいない」と本音を吐露する。

 2018、19年の「高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」で連覇を果たすなど、3度の全国制覇を誇る“学童野球の名将”は11日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の「少年野球を支える『パパコーチ』のための集中講座」に出演。持論を展開した。

「パパコーチはお手伝い的な立ち振る舞いではなく、あくまで指導者としてチームに入ってほしい。特に監督の話を上の空で聞いている選手に寄り添い、監督の意図を噛み砕いて伝える役割をやってほしいんです」

 実際、監督はチーム全体を見ているため、個々の選手の理解度まで細かくチェックする余裕や時間がない。そこでパパコーチが、子どもたちの本音を引き出し、監督との「橋渡し役」になる。監督には言いづらい子どもの本音を拾い、適切なアドバイスを送る。それこそが、現場が最も必要としている「隙間」を埋めるサポートなのだ。

「チームのために動いてくれるパパコーチが一人でも多くいたほうが、組織として凄く強くなります。指導者がパパコーチに教え込み、その考えを広めていく形が理想的です。指導者と選手、そして保護者との“緩衝役”としてサポートしてくれると、本当に助かります」

成績の数値化で子どもに芽生えた向上心…激増した盗塁数

多賀少年野球クラブ・辻正人監督【写真:橋本健吾】

 さらに辻監督が「野球経験のないパパコーチにこそやってほしい」と熱弁するのが、個人成績の数値化だ。多賀少年野球クラブでは、今年からマネジャーが個人の打率、出塁率、盗塁数などを集計し、試合があった週にランキング形式で発表。特に走塁面で効果があり、盗塁数が飛躍的にアップしたという。

「出塁率を上げたいからボール球を打たなくなったり、積極的に走り出したり、はっきり数字に表れるようになりました。監督は采配で手いっぱいなので、スコアの拾い上げなんてできません。打者に限れば、三振、安打、四球、盗塁数などを拾い上げるだけでいいので、その役割は野球を知らないパパコーチでもできるんです」

 自分の成績が数字として可視化されることで、子どもたちに「納得感」と「向上心」が芽生える。個人の成績を上げることが、ひいてはチームの勝利に直結する。「今は学校でも順位をつけられないことが多い時代ですが、自分の立ち位置を知ることは大事なことです。下の順位が嫌なら、上げるしかないんです」

 技術を教えることだけが指導ではない。子どもたちの本音を拾い、正当な評価を数字で示す。パパコーチがそれぞれの役割を全うし、多角的な視点で寄り添うこと。その一歩一歩が、子どもたちの大きな成長へと繋がっていく。

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