「背の順も一番前」からプロの世界へ 指揮官の慧眼で下手投げ転向…生かした少年時代の“遊び”
先発陣を支える鈴木健矢投手、中学で「硬式は全く考えなかった」理由
今季すでに6勝を挙げている日本ハムの鈴木健矢投手は中学時代、千葉県袖ヶ浦市の長浦中学校で軟式野球部に所属していた。その後、木更津総合高から社会人野球の強豪JX-ENEOSへと進み、2019年のドラフト4位で日本ハムに指名された。少年時代の思い出を聞くと、野球を続ける上で忘れられない“喜び”を挙げてくれた。
中学進学時の選択を鈴木は「硬式のチームも地元にはありましたけど、全くそういう考えはなかったですね。硬式をやりたいという気持ちがなかった」と振り返る。大きな要因は当時の体格だ、中学校に入学した時の身長が140センチちょっと。「背の順も一番前でしたから」と笑う。
中学時代に、一気に身長が伸びた。1年に10センチずつ伸び、ポジションも小学校当時の遊撃手と捕手から、2年生の途中で投手へと変わった。ただとにかく勝てないチームだった。「中3の夏に、初めて公式戦で勝ったんです」。そして3試合目も、延長タイブレークに突入。満塁から右翼に打球が飛んだ。ここで右翼手のメガネが外れて打球を頭に当ててしまい、敗戦。「ヘディングしていましたね……。ずっと話に出ると思いますよ」。忘れられない思い出だ。
小学校時代は地域のチーム「久保田ロングス」でプレーした。こちらも勝てないチームだったという。同級生が4人しかおらず、1人は女の子。6年生の最後の大会でようやく1勝を挙げた。「1個勝った時の喜びが忘れられなかった。メチャクチャうれしくて……」。野球を続ける大きな原動力になった。