体験希望者が5~6月と10~11月に多いワケ 部員100人超…少年野球チームの“勧誘戦略”

公開日:2023.04.11

更新日:2023.12.26

文:First-Pitch編集部

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滋賀・多賀少年野球クラブの辻正人監督「体験会は過ごしやすい時期に」

 野球人口の減少が叫ばれている中、「世界一楽しく! 世界一強く!」をモットーに全国制覇を3度達成している滋賀・多賀少年野球クラブの部員は増加傾向にあり、現在は100人を超えている。チームを率いる辻正人監督は、部員を増やす秘訣を熟知。練習体験会に力を入れる時期が大切で、5~6月と10~11月に重点を置くことを勧めている。

 20歳の時に多賀少年野球クラブを立ち上げた辻監督は、指導歴35年を迎えた。部員12人からスタートし、毎年20~30人くらいを維持していたという。3日に開催された野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」の会員向けイベントでは、自らの経験をもとに講演。勧誘する方法は当初、新聞折込のチラシで、毎年続けているとある傾向に気付いたという。

「10、11月に練習体験の希望者が多かったんです。なぜだろうと考えてみたら、9月の第1週から2週にかけて小学校で運動会が行われていました。運動会は保護者同士で丸一日過ごして会話が弾み、野球チームについても話題になっていました」

 辻監督は運動会のタイミングに合わせてチームを宣伝する戦略を練った。「LINEのアプリでもランチ前に弁当の割引きを入れるのと同じです」。部員獲得も時期を間違えると効果が薄くなる。今は体験希望者が増える時期が年に2回ある。年度が始まる4月が多くなる印象だが、1回目はゴールデンウィーク明けから6月にかけて、2回目は10~11月。その理由を辻監督が説明する。

重要なホームページ…こまめな情報更新は“必須”

「4月は子どもたちが新しい環境に慣れていないので、保護者は子どもをチームに入れようと思いません。体験が増えるのは過ごしやすい季節です。夏休みや冬休みに体験会を開くのは控えた方が良いと思います。子どもは一度嫌がったらチームに入りたがりません」

 練習体験会を開く時期に加えて、辻監督が部員集めに苦労しているチームに勧めるのがホームページの作成。野球チームにとってのホームページの役割は、企業の建物にあたると表現し「インスタグラムやティックトックはチームを知るきっかけになりますが、ホームページは信用につながっていると思います」と話す。

 辻監督は2004年頃、他のチームに先駆けてホームページをつくった。それまではチラシを配る地元・多賀町に部員は限られていたが、町外からも問い合わせがくるようになった。そして、ホームページは完成したら終わりではなく、情報更新する。更新されていないとチームが活動しているかどうか分からず、逆効果になるという。選手は自然には増えない。人数が多いチームには理由がある。

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