日本一の少年野球チームの“ノート活用法” 強制はなし、記録で養う観察する力

公開日:2022.11.21

更新日:2024.10.31

文:First-Pitch編集部

XFacebookLineHatena

多賀少年野球クラブが活用する「野球用ノート」は主に対戦相手の情報をメモ

 全国大会で優勝経験があり、かつ子どもたちが楽しく、伸び伸びと成長している滋賀・多賀少年野球クラブが話題となっている。チームを率いる辻正人監督に4回にわたって読者の質問に答えていただく連載の最終回は、少年野球でも活用するチームが多い「野球ノート」について。一般的な活用方法とは少し違うなど、劇的に子どもがうまくなる要素は触れ合う時間の中に秘密があった。

 日々の練習の収穫や課題を書き留める野球ノート。活用している少年野球の子どもたちも多く、大学ノート以外にも野球用品メーカーが販売しているものを使ったり、指導者とやり取りしたりするケースもある。多賀少年野球クラブの選手も野球用のノートを持参しているが、辻監督は「一般的に言われる野球ノートはありません」と話す。

「選手たちがノートに書くのは、対戦相手の情報です。試合を見て打撃結果や打球方向をメモして、気付いたことも自分たちなりに書いています。指導者が選手たちのノートを見ることはありませんし、選手がノートを見返しているかを確認することもありません」

 多賀少年野球クラブでは、相手チームの分析を目的にノートを使う。導入したきっかけは、選手の集中力を高める狙いからだった。辻監督は、こう話す。

メモの仕方は選手の好み…自分に関する情報は頭で記憶

「ただ試合を見るだけでは集中できない面があります。せっかくならメモしながら試合を見ようというところから始まって、長年続いています。守備番号にゴロと書く選手もいれば、スコアブックのように記録する選手もいます。こちらから『あの選手の打撃どうだった?』と聞くと、打席の結果や分析が返ってきます」

 選手たちのノートには、日々の練習や試合を通じて感じた自分のプレーについては書かれていないという。辻監督は一般的な野球ノートを使わない理由を説明する。

「自分に関する情報は記憶しているので、ノートに書き残しません。記憶は必要のない情報から消えていきます。選手にとって重要なのは、相手チームのことより自分や自分のチームのことです。忘れやすい相手チームの情報はノートに書いて、自分に関する情報は頭の中に残します」

 ノートを使う目的は書き留めることではない。大切な情報は記憶し、忘れそうな情報は記録する。多賀少年野球クラブに「野球ノート」はないが、「野球用ノート」を活用している。

少年野球の現場を知るコーチが多数参加…無料登録で指導・育成動画250本以上が見放題

 辻正人監督も参加する野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」(ターニングポイント)では、無料登録だけでも250本以上の指導・育成動画が見放題。First-Pitchと連動し、小・中学生の育成年代を熟知する指導者や、元プロ野球選手、トップ選手を育成した指導者が、最先端の理論などをもとにした確実に上達する独自の練習法・考え方を紹介しています。

■専門家50人以上が参戦「TURNING POINT」とは?

■TURNING POINTへの無料登録はこちら

https://id.creative2.co.jp/entry

トレンドワード