「保護者の想像を超える」 入団希望者殺到の少年野球チームが重視する“練習体験会”

文:間淳 / Jun Aida

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「万全な準備をして、100%の力で野球の楽しさを伝える」

 深刻な競技人口の減少が叫ばれる中、滋賀・多賀町にある小学生軟式野球チーム「多賀少年野球クラブ」のメンバーは増えている。怒声罵声を禁止し、楽しみながら自然と上手くなる辻正人監督の「勝利理想主義」が共感を得ている形だが、他にも秘密があった。連載11回目のテーマは、どのチームもメンバー獲得のために取り組んでいる「練習体験」。辻監督は「30%の力しか注がないのであれば、やらない方がマシ」と言い切る。

 少年野球界が抱える大きな課題の1つに、競技人口の減少がある。少子化に加えて、習い事の選択肢が増えているため、野球をする子どもたちが減るのは避けられない。しかし、多賀少年野球クラブは競技人口減少と無縁と言える。その理由は全国屈指の強さ以外の部分が大きいと、辻監督は考えている。

「全国大会には20年以上前から出ていますが、メンバーが一気に増えたのは、この5年くらいです。このタイミングで最も変わったのは、いわゆるスポ根を完全に廃止したことです。野球を楽しみながら自然と上手くなるように普段から練習していますが、他のチームとの違いは練習体験への意識にもあると思います」

目指すのは「保護者の想像を超える」練習体験会

 チームに入る前、ほとんどの子どもたちが練習を体験する。複数のチームの体験に参加してから選ぶのが一般的だ。練習体験の日時を決めるチームが多い中、辻監督は体験希望者の都合を優先する。特に、体験希望者が増えるゴールデンウィークから7月頃にかけて「体験モード」に切り替える。

「体験に20~30%の力しか注がないのであれば、効果はゼロに近いと思います。中途半端にエネルギーを使うのは無駄になるので、やらない方がマシです。体験に対して指導者も万全な準備をして、100%の力で子どもたちに野球の楽しさを伝えています」

 辻監督が練習体験で心がけていることがある。「保護者の想像を超える」。予想の範囲内で終われば印象に残らず、子どものいる友達や知り合いとの会話で多賀少年野球クラブは話題にさえならない。

「保護者の方々は『少年野球は、これくらいの感じだろう』と想像して、体験に来ています。その予想を超えないと、子どもたちをチームに入れたいとは思いません。例えば、ラーメン屋さんに行って普通の味だったら、わざわざ他の人に話をしないと思います。おいしかったのか、まずかったのか、想像を超えた時に人に話します。メンバーを増やす一番の方法は口コミです。多賀の指導者たちは、体験も全力で取り組んでいます」

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