小学4年生で6年生のレベルに到達させたい 少年野球日本一監督の次なる“野望”

公開日:2022.05.21

更新日:2023.12.26

文:間淳 / Jun Aida

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多賀少年野球クラブの最年少は年中の園児、練習に飽きさせない工夫いっぱい

 2018、19年に全国大会連覇を達成し、楽天・則本昂大投手をはじめ、上のステージでも活躍する選手を育てている軟式野球チーム「多賀少年野球クラブ」。辻正人監督が次のビジョンに描いているのが“幼児の育成”だ。現在の小学6年生のレベルに「2年前倒しで到達してみたい」と新たな挑戦を始めている。

 主に小学校中学年以上が練習するグラウンドの横にあるサブグラウンドでは、幼児と野球初心者が体を動かしている。滋賀・多賀町にある「多賀少年野球クラブ」は昨年から幼児の募集を始めた。最年少のメンバーは4月に年中になったばかりの園児だ。

 チームは「小学生の甲子園」とも言われる高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会「マクドナルド・トーナメント」を2年連続で制するなど、毎年のように全国大会に出場している。OBは楽天・則本を筆頭に、甲子園に出場したり、大学や社会人でも活躍したりしている。チームを創設した辻正人監督は、少年野球の指導者として成功を手にしたように見える。だが、チームを率いて34年目を迎えても、新たな領域に挑む意欲に満ちている。

「小学1年生から多賀で野球を始めた子は、4年生から6年生にかけて一気に成長します。幼児から指導すれば、今の小学6年生のレベルに小学4年生で届く可能性があります。2年、前倒しで到達してみたいです。そのまま小学6年生になったらどうなるのか、今まで知らなかった景色が見えるかもしれないと想像するとワクワクします」

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