
中学硬式野球の名門監督も重視する“投げ方”…小学生の段階で「本当に癖のない子は3割ぐらい」
正しい投げ方を身に付けることは、選手寿命を伸ばすことにも繋がる。全国制覇を成し遂げている茨城県の中学硬式野球チーム・取手リトルシニアを指揮する石崎学監督は、「厳しい言い方になるかもしれないが、小学生で悪い癖がついてしまうと、直すのに時間がかかってしまう」と指摘する。
取手リトルシニアは5度の全国制覇を果たす名門チームで、石崎監督は数々の選手を高校球界に送り出している。将来を見据えた指導やアドバイスに定評があり、毎年のように入部希望者が後を絶たない。訪れる小学生を見るポイントとして「一番重視しているのはキャッチボール、投げ方」だという。
野球の基本ともいえる「投げる動作」は、投手だけでなく野手にも必要不可欠なスキル。時代とともに野球の理論、技術も進化し、解剖学的に正しい投げ方を知ることもできるようになった。だが、石崎監督は「ウチのチームに入ってくる新入生でも、本当に癖のない投げ方をしている子は3割ぐらい」と口にする
例を挙げると極端に胸を張る、肘が前に出る「ダーツ投げ」、肩甲骨を無理に寄せて投球する、といった子たちが多々見られるという。まだ野球を始めたばかりの小学生たちなのに、なぜ悪癖がついてしまうのか。
「今は公園や学校でも“球遊び”をやる習慣が減っています。いきなり野球のボールを投げるので違和感が生じる。そこに『ボールは前で離す』など、誤った解釈をしやすい感覚的な表現で伝えたり、細かく指導し過ぎてスムーズな動きができていない。ゼロの状態は一番、吸収力は高いですが、そこで変な方向にいってしまうと、戻すのに時間がかかります」
低学年の段階での細かい指導は逆効果のリスクも…まずは「野球以外」から

野球を始めたばかりの小学校低学年には、細かい指導が逆効果になる可能性もある。肘肩や胸郭、股関節といった専門的な指導を理解できず、「考えすぎてイップスになる子もいる」と石崎監督は警鐘を鳴らす。
幼稚園や小学校低学年の段階では、「まずは野球以外のボールを投げること。例えばドッジボールをしっかり投げる。それは間違った投げ方はしていない。その他にはスナップスローや、あえてサイズが違うボールを様々な角度から色々な方向へ投げることも効果的です」とアドバイスを送る。
高校野球の監督やスカウトがグラウンドに来た際も、注目して見るのは“投げる姿”だという。カテゴリーが上がるほど「打撃は良くてもスローイングに難があり、試合に出られない選手は多い」。幼少期から正しい投げ方を身に付けることができれば、野球人生の可能性を広げることに繋がっていく。
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