由規はBC埼玉武蔵でコーチ兼任、仙台育英時代に157キロ計測
ルートインBCリーグの埼玉武蔵で、投手兼任コーチを務める元ヤクルトの由規はNPBきっての剛腕で鳴らした。仙台育英高時代に157キロ、ヤクルト時代には161キロを計時している。経験をもとに、速い球を投げるための練習と、その効果を最大限に高めるための体のケアについて説いた。疲労をためない「ストレッチと立ち方」が、剛速球を生み出した根底にあるという。
プロに入ってからは右肩の故障に悩まされた由規だが、高校生までは外傷以外に怪我の経験はなかった。体への不安なく練習に没頭できたことが、球が速くなった理由の1つと考えている。
「小学5、6年生の頃、成長痛で走り込みが全然できなかった時期がありました。その時に出会った整骨院の先生に指圧をしてもらい、ずいぶん痛みが取れました。その後もずっと診てもらい、ストレッチや立ち方も教わりました」
正しい姿勢で立つと体への負担が小さくなり、怪我の予防や疲労軽減につながるという。特に重心の位置が大切で、体重を体の内側に乗せ、お腹をへこませて真っすぐ立つようアドバイスを受けた。高校ではバレエの指導者を紹介してもらい、立ち方を磨いた。練習前後のストレッチも怪我を防ぎ、疲れを蓄積させないための日課とした。
「仰向けになって万歳の姿勢をするストレッチがお勧めです。つま先から指先まで一直線にすることを意識して体を真っすぐ伸ばします。体は使えば使うほど縮みやすくなるので、全身を伸ばして矯正します」
元同僚の青木も重要視、体をクリーンな状態に戻してからフォーム作り
ストレッチは伸ばすことに加えて、体を一度縮める動きも大切だという。由規はウォーミングアップで腿上げやジャンプをする時、お腹をへこませて体を縮めた状態から勢いよく全身を伸ばす動きを心掛けていた。
「自分自身が色んな経験をして、様々な選手を見てきた今だからこそ感じるのですが、上手くいかないと早々にフォームを変えようとする選手が多いんです。でも、フォームを変える前に我慢して一定期間続けないと、何が良くて何が問題なのか気付けません。その第一段階として、体のケアを怠らず、常に体の状態を同じように保つことが大切だと思います」
例えば、疲労がたまったり、背中が固まって丸まったりした状態でプレーすると、打者であれば投球を見る角度が変わってしまう。普段と同じ動きをしているつもりでもズレが生じてしまい、理想のフォームを見つけるのが難しくなる。
「ヤクルトの青木(宣親)さんも同じことを言っています。青木さんは色んな打撃フォームを研究して変えてみようとしますが、まずは体のケアをしてクリーンな状態に戻してからフォームを固めます。多くの選手は体の状態を分かっていないままフォームを変えようとするので、数ミリだったズレが数センチになってしまいます」
パフォーマンスアップに重要な柔軟性、お勧めは水泳
少年野球も同様で、練習をパフォーマンスアップにつなげるには体を健康な状態に維持することが大事になる。そして、球を速くする要素に柔軟性を挙げる。
「体が柔らかい選手の方が、間違いなくパフォーマンスを発揮しやすいと思います。僕は、球を速くするために体を柔らかくしたという順番ではなく、速い球を投げられるようになってから体が柔らかくなって、確実に可動域が広がりました」
可動域が広くなるほど、体の動きや使い方に幅ができる。それだけ、技術を向上させる可能性が広がる。由規は投球練習を繰り返すうちに、柔軟性が高まり、可動域が広くなっていったという。
「柔軟性を上げるためにやっておけば良かったと思うのは、全身運動ができる水泳です。水の抵抗を感じて全身を動かすスポーツなので可動域が広がって、体も強くなると思います。実際にソフトバンクや楽天には大きなプールがあって、選手のトレーニングにも水泳が取り入れられています」
技術を向上させるために必要なのは練習だけではない。日頃の体のケアや柔軟性が練習の効果を高める。
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