守備力&判断力を“同時に向上” 中学強豪が実践…「ボール回し」の質高める独自工夫

文:First-Pitch編集部

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肩肘負担を減らし、状況判断力を培う「ボール回し」…3チームの術とは?

 守備力向上において「ボール回し」は重要なメニューだ。漫然とウオーミングアップのように行うのではなく、強豪チームは独自の工夫で練習の質を高めている。現場で抱えがちな以下のような課題をどう解決しているのか、中学軟式・硬式強豪の実践方法を紹介したい。

・選手の状況判断力とカバーリング意識をどう育むか。
・肩肘の負担を抑えつつ送球のスキルをどう高めるか。
・守備の基本動作を実戦レベルで定着させる指標は何か。

 中学軟式、東海大菅生高校・中等部の村上晋監督は、短い距離で複数の球を同時に扱う変則的なボール回しを導入している。塁間の半分程度の距離で行うため肩肘への負担が抑えられるほか、2つの球が回ることで常に周囲の状況を察知する力が養われるという。実戦における併殺プレーやカバーリングの意識づけに直結しており、プレーから目を切ってしまう中学生特有の隙をなくす効果が期待できる。さらに、自ら声をかけ合わなければ回らない仕組みにすることでコミュニケーション能力も磨かれ、互いを思いやる精神の習得に結びつく。

 中学硬式、取手リトルシニアの石崎学監督もまた、守備力を高めるために塁間の半分から3分の2の距離でのボール回しを推奨する。距離を短縮することで肩肘への負担を軽減しつつ、反復して投球数を増やす狙いがあるという。足を止めて体重移動で投げる方法と、ステップを使って力強く投げる方法の2種類を実践し、時計回りと反時計回りの両方で体の使い方を覚えさせる。自分が投げたい場所ではなく、受け手が捕りやすい場所へ投げる判断力を瞬時に養うことが、結果としてチームワークや個人の強固な守備力向上をもたらす。

 中学軟式、桐生第一中の齋藤健子郎監督は、ボール回しの練習に「タイム制限」を設けることでチームの守備力を測る客観的な指標としている。「5周28秒」といった明確な目標を設定し、正確かつ素早い握り替えやステップを徹底させる。守備の基本動作が凝縮されたこの練習を高い精度で繰り返すことが、実戦でのエラー減少に繋がると語っている。また、送球が逸れた際に何が原因かを選手自身に気づかせる言語化のプロセスも重要。自ら考えてプレーの根拠を持つことが、中学生の着実な技術向上をもたらす要因となるという。

 強豪の指導法を参考にしつつ、練習の意図を明確にすることが大切だ。日々の工夫が守備力の向上に直結していく。

・送球間隔を短く設定して肩肘への負担を軽減し、受け手が捕りやすい送球を反復する。
・複数のボールを使うことで、周囲から目を切らさない習慣や瞬時の判断力をつける。
・タイム制限を設け、送球の所要時間を測ることで、守備力向上の目安とする。

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