
痛みのサインを見逃さない…少年野球選手の体を守るためのケアとは?
少年野球に怪我はつきもの、とよく言われますが、大きな外傷はないものの、我が子が「なんだか肘が痛い」と訴えたり、動きに違和感があったりしたとき、様子を見ていいのか病院へ連れて行くべきか悩む保護者は多いのではないでしょうか。「今日はたくさん練習したみたいだから……」と自己判断で対処してしまうと、大切な成長期の体に負担をかけてしまうことも考えられるのです。
「First-Pitch」のポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」より、神奈川県川崎市にある整形外科「ベースボール&スポーツクリニック」で、子どもたちのパフォーマンス診断やトレーニングを担当する傍ら、埼玉西武ライオンズジュニアで育成アドバイザーを務めるトレーナーの豊田太郎さんから聞いた、子どもの正しい体のケア方法について紹介します。
野球を頑張る子によく見られるのが、肘や肩、そして腰の痛み。豊田さんによると、特に成長期は「骨が急速に伸びる一方で筋肉の成長が追いつかず、体に負荷がかかりやすい」といいます。しかし「単なる成長痛や疲労だと決めつけて放っておくと、復帰までに長期間を要する障害につながるケースも少なくありません。保護者の皆さんは、お子さんの『少し痛い』という言葉を軽視せず、初期の段階で変化に気づいてあげてほしい」と伝えます。
違和感があった場合、まず検討したいのが整形外科での受診です。
豊田さんは、「野球の肘の怪我の研究で、痛みを感じてから1週間以内に受診をして治療を開始すると、治療成績が良くなるというデータも。一方で、1か月以上経ってから受診をすると、4人に1人ぐらいは痛みが残ってしまうというデータがあるんです。そのため、肘の違和感は発生から1週間以内、腰の痛みは2週間以内を目安に受診することがお勧めです」と語ります。
身長を伸ばすのに大切な「睡眠、食事、運動」
練習後のルーティンとして定着しているアイシングですが、予防や治癒を直接的に早める効果についてはエビデンスが乏しく、現代ではその効果について見直されつつあるそうです。
「アイシングによって最も期待できるものは、鎮痛効果です。冷やすと痛みが和らぎます。ですが、肘が痛いといった場合には、かなりの確率で靭帯の損傷や骨折をしていることも考えられるため、そういった状態でアイシングをすると一旦痛みは収まってしまうことに。痛みを隠して練習を重ねてしまう前に、原因を根本から確認することが先決です」
さらに怪我のケアと並んで保護者の関心が高いのが、子どもの身長。「もう少し背を伸ばしてあげたい」と願うのは親心ですが、豊田さんによると身長は遺伝的要素が約8割を占め、残りの2割が後天的要因(睡眠、食事、運動)によって左右されるとわかっていると話します。
「大事なのは、いつも一定の時間に寝ること。寝る時間がまちまちになると、成長ホルモンの出が悪くなるという話もあるんです。例えば毎日9時に寝ると決めて、十分な睡眠時間を取るために、朝6時か7時くらいまで寝ると、ある一定の時間にバーッと出やすいと言われています」
重要なのは、睡眠のトータル量ではなく、質とタイミング。毎日決まった時間に寝て十分な睡眠時間を確保することで、成長ホルモンが分泌されやすくなるといいます。
子どもの健やかな成長には、日頃の生活習慣も深く関わっています。特別な栄養素を過剰に摂取するよりも、バランスの取れた食事を基本とし、質のいい睡眠を確保することが体づくりの土台になります。不安なときは保護者だけで抱え込まず、専門家のサポートを上手に活用しながら、温かく見守っていきましょう。
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