小中学生のエラーの“本質”「早すぎる」 跳ねる軟式球に対応…全国Vチームに学ぶゴロ捕球

文:磯田健太郎 / Kentaro Isoda

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作新学院中が守備で取り組む“スピードのコントロール”

 8月に行われた中学軟式野球の日本一を決める“中学生の甲子園”「第42回全日本少年軟式野球大会ENEOSトーナメント」で、作新学院中は初優勝を果たした。4試合で許した失点は1点のみ。強固な守備で大会を制した。堅守を作り上げた作新学院中の増渕洋介監督は「小中学生のエラーは自分が崩れることが原因」と語る。First-Pitchでは小学生・中学生世代で全国制覇を成し遂げた指導者を取材。中学王者が取り組む守備ドリルとは。

 内野手はゴロ捕球練習のための3列を作り、各列に小さなカラーコーンを配置。それぞれ狭いジグザグ、広いジグザグ、等間隔と並べ、それらを1つずつ回り込んだり足を刻んだりしてから緩い手投げのゴロを捕球する。増渕監督は「自分のスピードや体重移動をコントロールできるようになると、どんな打球に対しても対応できるので」と狙いを語る。

 増渕監督は意図について続ける。「例えば打球の軌道に入るのが早すぎて体重が前に行き過ぎると、(打球に)近すぎて、抱え込んで捕ってしまい、送球にも影響するので。打球を捕りながらも突っ込まないようにするために、足を刻んだり、自分でスピードをコントロールできるようになっておくことが大事です」。

 上記の守備ドリルに取り組むのは、小中学生のエラーの“本質”を理解しているためだ。増渕監督は語る。「小中学生は打球が難しいというよりは、自分の体勢やバランスが崩れてエラーをすることが多い印象です。そのためにこの練習で色んな動きをしながら対応できるように鍛えています」。成長期で体の出来上がっていない中学生は、体幹がブレやすく、軟式球は跳ねやすく目線も変わりやすい。だからこそ、様々な状況、打球の速さ、跳ね方に対応できる力を磨いているということだ。

 メニューをこなす途中で、何人かの選手は所々で逆シングルで捕球する動きがあった。これは増渕監督の発案ではなく、選手発信だという。「普通に捕ってるだけではよくないと選手が考えて、個人で逆シングルで捕ったりもしています。逆シングルの方が目線は下がりますし。考えてやってくれていますね」。増渕監督は10月末開催の「日本一の指導者サミット」に出演予定。作新学院中の堅守を支える“対応力の本質”も垣間見えたようだった。

【実際の動画】作新学院中が守備練習で磨く“スピード”のコントロール リズムを変えた3箇所のゴロ捕球

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