「かっ飛ばせ〜」はもう古い? 緩急に強い好打者へ…少年野球に勧める“ハイビート応援”

文:内田勝治 / Katsuharu Uchida

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実は野球と好相性…神経系を磨く「スポーツリズムトレーニング」とは

 近年大きな注目を集めている「スポーツリズムトレーニング」をご存じだろうか。プロ野球でもDeNAやロッテがウオーミングアップに取り入れており、学童チームでも導入されるなど少年野球界にも徐々に浸透してきている。一般社団法人スポーツリズムトレーニング協会(略称STAR)のマスタートレーナーを務める関元崇志さんは、その本質を「リズムに合わせていろいろな動きをすること」とシンプルに定義する。

「スポーツにおいて技術指導は多いですが、そこに持ってくるまでのリズムの指導は、あまりできていないのが現状です。まずは頭でリズムを理解した上で、体で表現するという準備段階の部分をしっかりやっていこうということです」

 例えば、地面に置いたラダー(はしご状の器具)のマス目に素早く正確に足を出し入れしていく「ラダートレーニング」は、俊敏性やフットワークといった肉体的パフォーマンスを高めていくのに対し、リズムトレーニングは耳から聴いた音のリズムを脳で理解した上でアウトプットしていく。いわば「神経系」へのアプローチだ。神経系が著しく発達していく5歳ごろから取り入れるのがベストだが、語学と一緒で、大人や高齢者になっても強化はできるという。

 このリズムトレーニングが、実は野球と凄く相性がいい。野球はプレーが止まっている時間が多いスポーツだが、打者は投手が投げてくるボールにタイミングを合わせたり、野手はフライの落下地点やゴロのバウンドを見極めたりと、動き出しの瞬間に複数の要素が複雑に絡んでくる。

 関元さんによれば、「いい選手ほど、拍(はく=拍子によって感じることのできる規則的なビート)が細かい」という。メジャーの好打者が小刻みに体を揺らしながら投球を待つように、自らの中に細かなビートがあれば、変化球などにも体勢を崩されずにボールを呼び込む「間」が作れる。この予備動作は、守備時や走塁時における肉離れなどの怪我予防にも直結するという。

4拍子より8拍子…お勧めは世界的ヒット曲のようなリズム

リズムトレーニングを指導する関元崇志さん【写真:編集部】

 リズムの重要性を、試合中の応援にまで拡張させるのが関元さんの提案だ。「かっ飛ばせ~◯◯!」といった日本の伝統的な応援はゆったりとした4拍子が主流だが、8拍子にすれば、その音に合わせてリズムを取った打者の準備と出力のタイミングは単純に2倍へと増える。

「もっと言えば、サンバのリズムは16ビートです。細かいリズムを刻める選手の方が、いろいろなタイミングで主動作を引き出すことが可能だという考え方です」

 だからこそ少年野球の応援にはハイビートな音楽を取り入れるのが望ましい。例えば、Creepy Nutsの『Bling-Bang-Bang-Born』や、ロゼ&ブルーノ・マーズの『APT.』のような曲調だ。インスタグラムのリール動画から人気を博した「ブリンバンバン」や「アパツアパツ」のリズムは、一度聴けば頭から離れない。そうしたリズムや曲調のものを、応援歌にしてみるのがお勧めだという。

「応援歌が歌えないのであれば、テンポの速い手拍子も有効的です。リズムの力で楽しく野球をやってもらえたら最高です」

 ハイビートは選手の心拍数を適度に高め、パフォーマンスを爆発させる呼び水となる。練習からアップテンポな曲を流し、音に乗って小刻みに体を動かすだけでも、自然とリズム感は身についていく。

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関元崇志氏[スポーツリズムトレーニング協会 マスタートレーナー]
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