子どもからプロまでサポート…東農大・勝亦陽一教授がフライ練習を考案
小学生や野球初心者が苦手にするプレーの1つにフライ捕球がある。高校球児やプロ野球選手もサポートする東京農業大学教授の勝亦陽一さんは少年野球の指導で、グラブを持たずに柔らかい球を使った練習を勧めている。恐怖心をなくし、フライの落下点に入るコツをつかむ効果がある。
野球のパフォーマンスを向上させる体の動かし方や立ち方などを指導する勝亦さんは、少年野球の子どもたちに楽しみながら上手くなる練習法を伝えている。1月29日には、静岡県掛川市の少年野球チーム「グッドフェローズ」から依頼を受けて出張指導した。その中で勝亦さんは選手1人でもできるフライの練習法を紹介。選手たちにグラブを置き、柔らかい球を1人1つ持つように伝えた。
まずは、下手投げで真上に球を投げ、右利きの選手はグラブをつける左手でキャッチするシンプルなメニュー。慣れてきたら、左右にずらしたフライで難易度を上げ、移動して落下点に入る。この時に注意するのは、必ず顔の横でキャッチすること。顔の横で捕球しようとすれば自然と足を使い、目と左手の距離が離れることで起きやすい捕球ミスを減らせる。
この捕球ができるようになったら、レベルを上げていく。捕球の際にジャンプしたり、地面すれすれの位置で捕球したり、多様な動きを加えると捕球の感覚が養われてコツが分かってくる。球を捕る前に一度地面を触るメニューは、試合で大飛球を追う時やチームメートの位置や動きを確認する時など、一度目を切ってからフライを捕る際に生きるという。
フライでは、最初から軟式球でノックを受けると、打球が顔や体に当たって恐怖心が芽生える可能性がある。柔らかい球を使って自分の力加減で練習できるメニューは、初心者やフライに苦手意識のある選手にお勧めだ。