右足の動きでゴロ捕球の精度が上がる 強豪シニア監督が強化する内野守備

公開日:2022.05.16

更新日:2022.05.19

文:間淳 / Jun Aida

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打者のインパクトに集中するのも、理想の一歩目を切る助けに

 捕球するのは左手に付けたグラブだが、大事なのは「右足」。静岡・裾野市にある中学硬式野球の強豪「静岡裾野リトルシニア」は、守備力を武器に毎年のように全国大会に出場している。特に強化しているのが内野の守備。佐藤裕徳監督はゴロを捕るポイントに右足の動きを挙げている。

 静岡裾野リトルシニアは全国の頂点に2度立つなど、全国大会の常連となっている。佐藤監督が練習で重点を置き、チームの特徴に挙げているのが守備。体格の大きい選手がそろっているわけではないので、可能な限り失点を防いで守り勝つ野球を掲げている。特に内野の守備を強化している。

 右利きの選手の場合、佐藤監督がゴロを捕る時のポイントにするのが「右足」。転がってきたボールに右足でタイミングを合わせるのが重要だという。右足を踏み込んだ後は、両足がそろわないように左足をついてボールをグラブに収める。打球は弾んでいる途中のハーフバウンドになると捕りにくい。バウンドして落ちてくるタイミングか目の前でバウンドするショートバウンドに合わせると捕球しやすい。

 もう1つ大切にしているのは一歩目の動きだ。最初の一歩が速くなればアウトを取る確率が高くなる。佐藤監督は「静から動や動から静の動きは難しいので、動から動を意識するように伝えています」と語る。打球が飛んできてから動き出すのではなく、足を動かしておいて打球に反応すると一歩目が速くなるという。

 打者のインパクトの瞬間に集中するのも、理想の一歩目を切る助けとなる。指揮官は「投球がバットのどこに当たるかでゴロかフライかを判断できます。投球が高ければフライになる確率が高いですし、低めならゴロになりやすい。守備だけでなく、走者でもスタートを切るかどうかを判断する基準になります」と説明する。右足の動きと一歩目への意識が、奪うアウトの数を変える。

【動画】バウンドは合わせすぎない 送球につながるボールの入り方

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