追いかけてほしい大谷翔平の背中 元プロのメンタルコーチが語る「野球上達の条件」

文:羽鳥慶太 / Keita Hatori

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日本ハムとヤクルトでプレーした今浪隆博さん「レジェンドを目標に」

 日本ハムとヤクルトでプレーし、NPB通算405試合に出場した今浪隆博氏は現在「スポーツメンタルコーチ」として活動する。少年少女を指導する機会も多い中、子どもたちがうまくなるために必要なのは「憧れを持つこと」だと断言する。

「野球も勉強もそうです。身近な誰かを意識した時点で依存してしまう。相手じゃなく自分自身の行動に目を向けましょう。誰かに勝ちたいという以上に大切なのは、自分がどうなりたいかです。憧れを持ちましょう」

 そのためには、近い人を手本とするより「レジェンド」のような存在を目標にしたほうがいいというのだ。「手が届かないんじゃないかという人の方がいいんです。そうすれば一生モチベーションは下がらない」。例に挙げたのが、今浪氏が日本ハムでともにプレーした大谷翔平投手(エンゼルス)だ。

「今はプロ野球のテレビ中継ってなかなかないですけど、ネットとかでは見られますよね。大谷選手のように打球を飛ばしてみたいな、打ってみたいなという気持ち、一緒に野球をしてみたいというワクワク感を持ってほしい」

 もちろん、そのベースとなるのは「野球を楽しい」と思う気持ちだ。「高校、大学とレベルが上がるにつれて、楽しさを忘れてしまうことがある。何で野球をやっているのかなという原点から遠ざかってしまう。でも、成功しているのは楽しいと思い続けた選手だと思うんです」。

 プレーからエネルギーがほとばしる、柳田悠岐外野手(ソフトバンク)がその典型だという。「投げても守っても『めっちゃ楽しい』と言い続けているんですよ」。そんな子どもたちを、育てていく。

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