
まるで大道芸人!? 守備の名手・大引氏がお手玉を披露
守備を磨く場所は屋外だけはない。オリックスやヤクルトでプレーし、守備の名手として知られた大引啓次さんが、子どもたちが屋内で手軽にできる守備の上達方法を実演した。遊び感覚で自然と野球に必要な力が育つ。
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長期化する新型コロナウイルスの影響でチームの活動が減っている。雪が積もって外で練習ができない。首都圏には練習場所が少ない。少年野球に取り組む子どもたちは、様々な理由によって屋外で体を動かす機会が足りないと感じている。だが、外に出なくても守備力を上げる方法がある。プロ1年目からオリックスで遊撃の定位置をつかみ、日本ハム、ヤクルトと2019年まで13年間プロでプレーした大引啓次さんが、小学生にすすめる守備の上達方法を解説した。
広いスペースは必要ない。自宅の部屋でもリビングでも簡単にできる。用意するのは2~3個のお手玉やボールだけ。最初は手元を見ながら、慣れてきたらテレビを見たり、話をしたりしながらお手玉をする。宙に浮くお手玉を目で追わなくても視界で捉えて場所を把握し、キャッチや握り替えがスムーズにできるようになると、野球に生きてくるという。大引さんは「守備では打球を目で追いながら、視界に打者走者を入れます。走者の動きを見て、余裕を持って送球できるのか、急いで送球するのか判断します」と説明する。
お手玉は守備だけでなく、打撃にもつながる。打席に入ると、走者の動きを把握する必要がある。右打者であれば、一塁走者が視界に入る。打席で投球に集中しながらも、走者が好スタートを切ったと確認できれば、バットには当てずに盗塁をアシストできる。大道芸人が披露する複数のボールを地面で弾ませてキャッチする「バウンスボール」も、お手玉と同じ効果がある。大引さんは「野球は1か所だけに集中せず広い視野が必要です」と強調する。
自宅で過ごす時間が長い時は、野球中継のテレビ観戦もすすめている。プロの守備を見ることでイメージが膨らむ。同じようにできなくても、真似すればプレーの引き出しを増やせる。大引さんは子どもの頃、ゴールデングラブ賞を6度受賞した元巨人・川相昌弘さんの守備に憧れていた。捕球から送球までが流れるようにスムーズで美しく「見ていてワクワクしました。興味や情熱が湧くだけでも上達につながると思います」と語る。
グラウンドで思う存分、野球をする時だけが実力を上げる機会ではない。屋内でも守備を上達させる方法がある。