巨人中学生チーム「うまい子集めたわけじゃない」 社会還元に繋がる“体験会”の中身

公開日:2024.02.09

文:宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki

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巨人の中学硬式野球チーム「多摩川ボーイズ」…勝つことだけが目的にあらず

 巨人が球団創設90周年事業の1つとして、中学硬式野球チーム「ジャイアンツ U15 ジュニアユース」を創設し、今月から練習を開始している。小学6年生を対象に書類選考、昨年10月、11月に「練習体験会」を行い、初代メンバー24人が決定した。今後も毎年1学年20人程度のメンバーを加えていくという。練習体験会ではどんな練習が行われ、どんな基準で選手を見たのだろうか。

 ジャイアンツジュニアユースの大森剛代表は今年1月、「ジャイアンツアカデミー」が小学生以下の会員とその保護者約130人を招き、東京都内で開催したセミナーに登壇。巨人の球団野球振興部長で群馬・高崎中央ボーイズの監督を務める倉俣徹氏、江戸川区立上一色中野球部監督の西尾弘幸氏とともに、講師を務めた。この場で初代メンバーの練習体験会での様子を明かした。

「もしかしたら、関東地区の小学6年生のオールスターチームを集めたと思われているかもしれませんが、決してそうではありません」。大森代表をそう強調した。実際に、ジャイアンツジュニアユースは「多摩川ボーイズ」の愛称でボーイズリーグに参戦するが、必ずしも大会で勝つことだけを目的とはしていない。

「早熟、晩熟など、いろいろなタイプの子を集めて指導していき、指導法を社会に還元していけたらいいなと思っています」

 純粋に優勝を目指して勝ち負けを競う年末イベント「NPB12球団ジュニアトーナメント」に向けた“選抜チーム”とは、目的が違う。大森代表は「ジャイアンツジュニアユースの24人には、昨年8月に『ジャイアンツジュニア』のセレクションに落選した子も結構含まれていますし、逆にジャイアンツジュニアの選手で、ジュニアユースに入団が叶わなかった子もいます」と明かす。

 現時点で野球が上手な子だけでなく、いまだ磨かれていない潜在能力を重視して選抜したというわけだ。

注目した“空間認知能力”…「とんでもないところ所にボールが落ちる選手」も

セミナーで登壇した大森氏、球団野球振興部長の倉俣氏、上一色中監督の西尾氏(左から)【写真:高橋幸司】

「練習体験会で特に注目したのが、“空間認知能力”です」と大森代表。フライを捕るセンスのことで、「この世代には苦手な子が多い。なぜかというと、練習量が少ないから。ゴロ捕球、バットスイングは数をこなすことができますが、フライはノックで1日1本か2本を捕るだけ。ましてや風が吹いたり、野手の間に上がったりして、判断が難しい」と指摘した。

 練習内容は、次のようなものだ。選手に30メートル先を目指してダッシュしてもらい、20メートル地点に達したところで、スタート地点にいるコーチが「はい!」と声を掛け、高いフライを打ち上げる。選手は振り向いてフライを追い、捕球するのだが、「とんでもない所にボールが落ちる選手、ボールを見失う選手が結構多くいました」。

 大森代表は「追いついてグラブに当てて落とす分には問題ないが、落下地点に入る認知能力は、野球センスにも身体能力にもつながると考えています」と解説し、「一番最初に行った項目です。今年の練習体験会でも引き続きやると思います」と“予告”した。

 マシンを使ってのバッティングも注目した。「カーブマシンの緩い球に対し、1球目や2球目にどういう対応をするかを見ました。すぐに打てなかったとしても、立つ位置を投手寄りに変えるなどの工夫をする子は、考えて野球をやっていると思いました」。

 その他、20メートル走、30メートル走、三段跳び、スラローム走(ポールやコーンを避けながらのジグザグ走)などの体力テストも実施。算数と漢字のテストも行い、「中学生世代では勉強も大事にしなければいけないよ、という意識付けをしたかった」と大森代表は語った。

 こうして決定した初代メンバーがどう成長し、今後どんなチームに育っていくのか。巨人の中学世代へのアプローチには、長期的な視点で注目していきたい。

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