V5星稜中はなぜ強いのか 物語る「16.25」…現代っ子を伸ばす“野球のセオリー”

「全日本少年軟式野球大会」で優勝…星稜中が継続的に強い理由
中学軟式野球の日本一を決める“中学生の甲子園”「第43回全日本少年軟式野球大会ENEOSトーナメント」は14日、横浜スタジアムで決勝戦が行われ、星稜中(石川)が南星中(沖縄)を9-0で破り、5年ぶり5度目の優勝を果たした。昨年は決勝で作新学院中(栃木)に敗れ涙をのんだが、今年は見事王座を奪還。また、直近5年連続で4強以上に必ず進出している。学年によって実力の波も大きい中学野球で、継続して強いチームを作れる理由とは。五田祐也監督に話を聞いた。
今年の星稜中の特徴は、多くの選手を起用して勝利を掴むことにある。準々決勝の明豊中(大分)戦では二塁手を3人、左翼手を3人起用。4年ぶりの優勝を目指した強豪・上一色中(東京)戦も臆することなく交代のカードを切った。二塁手で途中出場の高田慶吾内野手(3年)は、打っては安打を放ち、守っては7回にゴロを確実に処理して勝利に貢献した。
ベンチ入りできるのは25人だが、決勝までの4試合で星稜中の平均出場選手数は16.25人。ほぼ先発の9人だけで戦うチームもある中、特徴的な数字だ。体格差が大きく、主力と控え選手の実力が開いてしまうことも多い中学野球で、星稜中はなぜ多くの選手を起用できるのか。
五田監督は「週末に行う3チームに分かれた紅白戦が大きいです。とにかく実戦を通して、野球のセオリーを学んでいきます。選手が展開や状況を把握して今するべきプレーを理解できるようになるので、途中から入っていっても活躍できるのかもしれません」と解説する。
また、現代の子どもたちだからこその“傾向”もあるという。五田監督は続ける。「今の子はYouTubeやインターネットで練習法を調べて上手くなれるんですが、一方で自分のプレーにしか興味のない子も多くて、小学生のうちにちゃんとした野球を学んでいない子もいます」。野球の技術は一人でも身に付く。しかし、野球というスポーツへの理解を深める時間を多く与えることで、“偏差値の高い”プレーができるように導いていく。
総力戦での戦いに踏み切った1年前の“苦い記憶”

昨年は最速148キロ右腕(当時)の服部成投手(現・星稜高1年)を擁し挑んだが準優勝。「『あの服部先輩でも日本一になれないんだ』と、選手たちが自分たちの実力を理解して、日本一練習して日本一に返り咲くんだと、一体感が生まれてくれました」と五田監督。投打のスター不在だからこそ、総力戦で勝つことを1年前から見越してきた。
内外野を複数守れる選手の育成や、後手を踏まない積極的な起用を意識することで、選手たちも役割を理解し、要所で力を発揮した。主将・茅崎晃年内野手(3年)は今大会4試合で3つの打順を打ち、準々決勝から3試合連続で適時打を放った。継投ノーヒットノーランを達成した決勝戦、先発した藤田尚暉投手(3年)からバトンを受け登板した北本悠太朗投手(3年)は、「藤田の後どこかで投げるのはわかっていました」と、自らの役目を果たして快挙達成に貢献した。
初戦の地元・横浜クラブ戦は逆転勝利、準々決勝の明豊中戦はサヨナラ勝ちで突破。「しびれる戦いばかりで、選手たちは大きく成長しました。控えになったメンバーも腐らずやってきてくれたおかげで、今日勝つことができたと思います」と五田監督は褒め称える。3年生は引退し高校へ進むが、丁寧に伝えた“勝利のセオリー”は、さらに上のステージでも生き続けるはずだ。
読んで理解したら、次は動画で習得する
中学生ら育成年代の野球指導に役立つ練習法や考え方を、実際の動きでも確認したい方は、First Pitchと連動している野球育成動画サービス「TURNING POINT」(ターニングポイント)をご活用ください。
通常は有料会員向けの指導ドリル第1話を、無料会員向けにも公開中です。さらに無料登録だけで、250本以上の指導・育成動画が見放題。メールアドレス・Google・LINEで30秒ほどで登録できます。
育成年代を熟知する指導者や元プロ野球選手など専門家70人以上が、打撃・守備・投球・走塁・体づくりまで、上達につながる練習法を動画で解説しています。
■TURNING POINTの特徴を詳しく見る




