球速110キロ台で威力抜群 憧れは昭和の怪物…リトルV腕の直球が“低めに伸びる”理由

更新日:2026.05.11

文:尾辻剛 / Go Otsuji

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「インターミディエット全日本リトルリーグ選手権」決勝で好投した茨城・宮本英汰

 大一番で見事な制球力を見せた。少年硬式野球「リトルリーグ」の11~13歳カテゴリーが頂点を争う「JA共済杯第14回インターミディエット全日本リトルリーグ野球選手権大会」は10日、茨城県の牛久運動公園野球場で決勝が行われ、茨城リーグ(東関東連盟第1代表)が埼玉武蔵リーグ(北関東連盟)を延長タイブレークの末に4-3で撃破。劇的なサヨナラ勝ちで初優勝を飾った背景には、先発した宮本英汰投手の好投があった。

「最後の方は少し荒れていたからそこは課題ですけど、全体的には良かったと思います。チームの勝利に貢献できたのは凄くうれしいです。とにかく今はバッティングじゃなく、ピッチングに集中。どうにかこのチームを日本一にという気持ちでマウンドに上がりました。十分に自分の力を出すことができました」

 110キロ台後半の直球は威力十分。カーブやスライダー、ツーシームの変化球も効果的に織り交ぜた。何より良かったのは制球力だ。両コーナーと低めを丁寧に突いた。95球の球数制限がある中、4回まで40球で1安打無失点。5回無死二塁で相手の投手前へのバントが内野安打となり、三塁に進塁していた走者を刺そうとして三塁に悪送球して先制点を許したが、動揺せずに後続を断った。

 やや疲れが見え始めた6回は四球とボークなどで2死三塁のピンチを招き、暴投で失点。それでもズルズル崩れることなく、7回まで85球で投げ切った。タイブレーク(無死二塁から試合再開)となった延長8回も続投。2死三塁から完全に打ち取った当たりが二塁への内野安打となったところで球数が96球に達してマウンドを降りた。

 7回2/3を投げ、許した安打は3本。そのうち2本は内野安打で、外野への飛球も安打を含めて3本だけの力投だった。要所での5奪三振と10個の内野ゴロが、低めへの制球力を物語っている。

「以前は凄くコントロールが悪かったんです。意識しないと荒れちゃうので、今は球の回転と、低めに投げることを意識しています。力んだ真っすぐより、伸びる真っすぐの方が相手も打ちづらい。フォームを安定させて、リリースの位置を安定させる。常に同じフォームで投げられれば、常にいい球がいくと思います」

制球難改善へ…キャッチボールや遠投でも意識したリリースポイント

 冬場にチームのコーチと取り組んだフォームの見直し。ブルペンではもちろん、キャッチボールや遠投でも1球1球、球の回転や軌道を確認しながら常にフォームを意識してリリースポイントが一定になるよう心がけたことで、制球力が飛躍的に向上したという。

 170センチ、70キロの右腕が好きな選手は「昭和の怪物」と呼ばれた元巨人・江川卓投手。YouTubeなどで投球を見て、直球の伸びと切れに心を奪われた。「カーブとストレートの2種類であれだけ勝てる投手ってなかなかいないと思う。ストレートで押せたり、変化球でうまくかわせたり、僕もそういう投手になれたらなと思います」。

 剛速球が注目された江川も、制球力は抜群だった。無駄球が少なく、テンポよく完投するイメージ。この日の宮本も、そんな投球と重なる内容だった。

 宮本が所属する「小美玉ジャイアンツ」でも指揮を執る小田部司監督も賛辞を惜しまない。「今まで見てきた中で一番いい投球をしてくれた。野手を使いながら、ストライク先行で球数少なくいけたのは素晴らしかったなと思います。良くて6回まで、いけたら7回途中まで持ってくれれば100点かなと思っていた。8回の2死までいってくれたので120点、200点をあげてもいい」。まさに日本一の立役者だった。

 次の舞台は6月に台湾で開催されるアジア太平洋中東選手権大会。優勝すれば、8月の米国でのワールドシリーズに進出できる。「アジア大会でもいい投球をして、このチームをアジアで一番にしてアメリカに行くのが目標です。将来はプロ野球選手になりたい。二流ではダメなので、トップの選手になりたい」。現時点での自己最速は122キロ。まだ中学1年生だけに、どこまで伸びるか楽しみは尽きない。

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