野球離れのニュース「聞きたくない」 押し寄せる少子化も…中学生の“本音”と残す足跡

更新日:2025.12.12

文:川浪康太郎 / Kotaro Kawanami

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岩手・東朋中の鈴木賢太コーチ「20年経てば中学校自体なくなるかも」

 少子高齢化に伴い、野球の競技人口は減少の一途をたどっている。今年8月の東北少年軟式野球大会で優勝し、来春の全国大会に出場予定の岩手・大船渡市立東朋中軟式野球部(東朋野球クラブ)の鈴木賢太コーチは、2年生世代の選手に「あと10年、20年経てば中学校自体なくなるかもしれない」と包み隠さず伝えた。野球人気獲得のため躍起になる大人は少なくないが、今まさに白球を追っている子どもたちは現実とどう向き合い、何を感じているのか。

 佐々木朗希投手(ドジャース)が小学4年から高校までを過ごした大船渡市にも例外なく少子高齢化の波は押し寄せており、スポーツ少年団の統合も増えてきた。中学への入学者数は今後さらに減少する見込みで、だからこそ鈴木コーチは選手たちに投げかけた。「記憶だけでは数年しか残らない。記録を残して、自分たちが大人になった時に『ここでやったんだ』と思い返せるようにしよう」。その言葉には、母校で野球に打ち込んだ確かな「足跡」を残してほしいとの思いが込められている。

 選手たちに野球の競技人口減少についてどう捉えているか聞いてみた。主将の志田栄駿選手(2年)は「自分たちは野球が好きなので、野球の人気がなくなったという話はこれ以上聞きたくないです」とポツリ。「優勝してニュースになることで野球の楽しさを伝えて、野球を始める人を増やしたい」とも口にした。

 副主将の河原凪選手(2年)も「ゲームなどが好きで野球に興味を持たない子どもも増えているけど、自分はスポーツ選手として、野球に興味を持ってほしい」と同調した。

東朋中軟式野球部の2年生世代が伝えたい「野球の楽しさ」

2年生世代の山崎海夢、木下太陽、河原凪、志田栄駿(左から)【写真:川浪康太郎】

 同じく副主将の木下太陽選手(2年)は「競技人口が減るのは仕方ないけど、野球の楽しさは絶やしたくない」と力を込める。木下自身、祖父と一緒にテレビでプロ野球を観て「かっこいい」と感じたのが野球を始めたきっかけ。今でも大谷翔平投手(ドジャース)ら岩手県出身選手の活躍に刺激を受けているという。

 一流選手に憧れて野球を始めた今の子どもが、次世代の子どもの目標になる可能性は十分にある。木下は「自分たちも全国大会で勝って東朋中の名を全国に知らせたい。『この人たちみたいになりたい』という人が増えて全国に野球が広まったら嬉しい」と目を輝かせた。

 柳田悠岐外野手(ソフトバンク)と田中将大投手(巨人)に憧れて野球を始めた副部長の山崎海夢選手(2年)は、「来年東朋中に入ってくる人がいるかどうかも分からない。だからこそ『野球は楽しい』と周りに声をかけて、プレーでも見せたい」と話す。「打った感触や打った後の歓声が大好き」。小学生の弟らには野球の魅力を常日頃から伝えている。

 取材に応じてくれた全員に共通したのは、「野球の楽しさ」を自分たちの野球を通じて伝えたいとの思い。結果を出すことが「足跡」を残すための一番の近道だ。8月の岩手県少年軟式野球新人大会で優勝し好スタートを切った2年生世代は、来年3月に出場予定の「全日本少年春季軟式野球大会」で、まずは初の初戦突破を狙う。

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