なぜ野球の練習で「足袋型シューズ」履く? 甲子園常連校が冬トレで実感する“効果”

公開日:2023.01.20

更新日:2023.12.26

文:喜岡桜 / Sakura Kioka

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徳島・鳴門高はオフ期間、足袋型シューズでトレーニングを積む

 下半身強化の方法として、真っ先に頭に浮かぶメニューはなんだろうか。走り込みやウエートトレーニングなどを思い浮かべる人もいるだろう。徳島の強豪・鳴門高は、10年以上前から珍しいシューズを導入している。つま先が二股に分かれた足袋型のシューズだ。

 鳴門の球児たちは11月から3月上旬まで、冬のトレーニングのほとんどを足袋型シューズでこなしている。森脇稔監督は「底が薄いので足裏の感覚が養えるし、足袋になっていると足の指も意識できます。細かいところまで感覚が研ぎ澄まされることで、(スパイクに履き替えても)バッティングやピッチングなどにいい影響があると思います」と導入の狙いを語る。取材当日はランニングシューズでウォーミングアップをしたあと、キャッチボールや遠投、ノック、打撃練習を足袋型のシューズで行っていた。

 4番打者として昨年の春夏連続甲子園出場へ貢献した前田一輝(3年)は、外野手兼投手としてさまざまな練習を足袋型シューズで乗り越えてきた。「スパイクだとポイントで踏ん張れますが、あの靴はポイントが無いのでよく滑るんです。守備の時も投げる時も、1つ1つの動作でしっかりと踏ん張らないと滑ります。(靴底が薄いので)裸足に近い感覚で、足の裏とか指まで意識して力を入れることができますね。感覚が良くなったと思います」と、これまでの冬トレを振り返った。

 新チームの主将・城田悠晴内野手(2年)も「足の裏の感覚と、靴が滑らないように踏ん張ることで足が鍛えられていると思います」と答えた。

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