慶大・堀井哲也監督が危機感……痛みが治まっても修正できない投げ方
社会人野球の監督を長年務め、3年前から慶大を率いる堀井哲也監督は中学、高校で選手がボールを投げすぎる影響に危機感を募らせている。慶大に進んできた選手の中には、過去の故障が原因で投げ方にクセがついている選手もいる。肩や肘を一度怪我すると、再発する不安から練習量を極端に減らし、かえって故障のリスクを高めているケースもあるという。
堀井監督は社会人の三菱自動車岡崎とJR東日本の監督を経て、2019年12月に慶大の監督に就いた。部員は約200人。全国各地から集まってくる選手に、2つのことを求めている。
「大学の指導者の立場としては、野球が好きで入ってきてほしい。それから、故障をしないように気を付けてほしい。その2つです」
入学したばかりの選手の動きを見ていると、毎年気になる点がある。投球や送球の際に不自然な体の使い方をしている選手がいることだ。選手に話を聞く中で、中学や高校時代の過ごし方に不安を抱く時があるそうだ。
「スローイングが悪い選手は痛みを避ける体の使い方をしています。ヒアリングすると、中学、高校時代に肘の痛みを回避するために今の投げ方になったというような話が出てきます。脳が判断してしまうのか、今は痛みが治っていてもボールを持つと体をかばう動きになってしまいます」