野球道具を「使わずに」うまくなる? 静岡初の小学女子チームがこだわる“遊び心”

文:間淳 / Jun Aida

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小学校低学年の練習は「遊びの要素を入れて段階を踏むことが大切」

 野球を好きになる、野球がうまくなるには野球以外の用具を活用する方法もある。静岡市で活動する小学生の女子野球チーム「静岡フューチャーズ」の練習では、穴の開いた柔らかいボールやゴムボール、ラケットが使われる。根底には、楽しさを感じなければ技術は身に付かない、野球を長く続けてほしいというチームの考え方がある。

 静岡市を拠点とする「静岡フューチャーズ」は、静岡県に初めて創設された女子だけの小学生野球チーム。2018年にチームを立ち上げた時は2人だった所属選手は13人まで増えた。大半が野球未経験者だ。チーム最年少は小学1年生。小学校低学年でバットを振ったり、グラブでボールを捕ったりするのは簡単ではない。複雑な野球のルールを理解するのも難しい。子どもたちが野球の楽しさを知る前にやめてしまわないよう、花村博文監督は練習に使うものを野球用具だけに固執しない。

「ヒットを打ったり、思い通りに投げたり捕ったりできると野球を楽しく感じます。ただ、小学校1、2年生で野球未経験の女子にフリー打撃やノックをしても、野球はつまらないと思われてしまいます。遊びの要素を入れて、野球に触れてもらう段階を踏むことが大切だと思っています」

 小学校高学年の選手がティー打撃をする横で、低学年の選手はラケットを握る。投手を務める花村監督が手にするのは、穴の開いた柔らかいボール。バットと違って面でボールを捉えられるラケットを使えば、空振りは少なくなる。また、体に当たっても痛くないため、恐怖心がない。花村監督は河川敷の芝と石段の境目を指さし「あそこまで飛ばしたら本塁打」と選手に声をかける。選手は思い切りラケットを振り、ボールを遠くに飛ばす楽しさや達成感を味わっていた。

ノックを経験する前にラケットと柔らかい球でフライ捕球の練習

フライの捕球練習をする選手【写真:間淳】

 フライの捕球練習でもラケットと柔らかいボールを使う。花村監督が選手たちにフライの追い方や捕球の仕方を伝えると、練習をサポートしている選手の保護者が選手の方へラケットで柔らかいボールを打ち上げる。仮にフライが顔や頭に直接当たっても、軟式ボールのような痛みはない。

 うまく落下点に入れない選手もいるが、花村監督は「低学年の子はフライをグラブに当てるところからでいいよ」と伝える。最初からノックをしない目的は、フライへの怖さや苦手意識を取り除くことにあり「野球をやったことがない子どもにとって軟式には怖さがあります。段階を経て軟式ボールに移行した方がスムーズだと思っています」と説明した。

 野球の技術を身に付けるには遠回りに見えるかもしれない。だが、うまくなるスピードに差があっても、野球を続けていれば必ず成長する。

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