楽しく強い、卒“スポ根”で日本一3回 強豪チームを変えた「保護者アンケート」

公開日:2022.02.21

更新日:2023.12.26

文:川村虎大 / Kodai Kawamura

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多賀少年野球クラブの辻正人監督が指導者講習会で説いた「アンケート」の勧め

 滋賀県多賀町で活動する多賀少年野球クラブは、楽天の則本昂大投手を育て、2018年から2年連続で高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会「マクドナルド・トーナメント」を制すなど、3度の日本一に輝いた強豪チームだ。監督の辻正人氏が掲げているのは、卒“スポ根”。20日に東京・足立区にある室内練習場「フィールドフォースボールパーク」で行われた指導者講習会に招かれ、説いたのは「保護者アンケート」の勧めだ。

 この講習会は「楽しくて強いチームを作るためにどうするべきか」というテーマで行われた。そこで辻監督が説いたのが怒声や罵声、強制なしの卒・スポ根野球だ。ただ一方で「指導者はどうしても自分を正当化してしまうんですよね」とも。経験則に頼り、自分の指導を変えられない指導者が多いのだという。

 2000年以降、毎年のように全国大会に出場しているが、以前は辻監督も「変えられない」指導者の1人だった。怒声罵声は当たり前の“スポ根野球”で日本一を目指していた。指導法を改めるきっかけになったのは、2017年に保護者から取ったアンケートだった。

 自らも野球を学び、練習量も増やし、徹底的に子どもたちに野球を叩きこんできたにもかかわらず、全国ではあと1歩、優勝に届かない。「どうしてこれだけやっているのに勝てないんだろう」という悔しさと苦しさがあった。2017年もマクドナルド・トーナメントで1回戦負け。悩みに悩んだ挙句、アンケートにヒントを求めた。

「それでも、どこか驕りがあったんでしょうね。優勝はできなくても全国大会には毎年出ていたので『このままでいいですよ』とか、そういう言葉が来ると思っていたんです」

【次ページ】厳しい言葉が並んだ保護者アンケートが変わるきっかけに

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