自覚症状なしで進む肩肘の故障…未然に防ぐ“習慣” 小中学生に勧める3ストレッチ

更新日:2026.04.21

文:First-Pitch編集部

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野球指導の専門家が実践…障害予防の重要性と大人の正しい理解

 この春から野球を始めた小・中学生と保護者に向けて、プレーを楽しむのと同時に大切なのが“故障予防”だ。少年野球における肩肘の障害は、早期発見と適切な予防策でリスクを大幅に下げられる。特に成長期の選手は自覚症状がないまま症状が進行している場合があり、周囲の大人が異変に気づく環境作りが大切だ。体の柔軟性を高めて子どもの将来を守る、日々の練習に手軽に取り入れられるストレッチを紹介しよう。

・痛みや違和感がない場合でも、肘の内部で異常が起きている可能性はないか。
・キャッチボール前の準備として、具体的にどの部位を重点的に伸ばすべきか。
・インステップのような投球フォームによる肩肘への負担を減らす方法はあるか。

 さいたま市立病院スポーツ医学総合センター医長の山田唯一さんは、自覚症状のないまま肘の外側に問題を抱える小・中学生がいると指摘している。初期段階での見逃しは、将来的な手術リスクを高めるため、問診やエコーによる定期的なチェックが有効だという。また、怪我が判明した際に周囲の大人が復帰を急かさないことも、選手の選手生命を守る上で大切だと強調。野球教室と検診を組み合わせることで障害予防への関心が高まるといい、上腕の裏側やお尻の筋肉を伸ばす、小学生でもできるストレッチを紹介している。

 中学硬式の強豪、高崎中央ポニーの倉俣徹監督は、成長期の指導において怪我予防に細心の注意を払っている。特にキャッチボール前には、肩の奥にある「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」を丁寧に伸ばすストレッチを導入。これは棘上(きょくじょう)筋など4つの筋肉からなる部位で、肩関節を安定させたりする大事な役割を担う。強い球を投げるためにも欠かせない筋肉で、鍛えるのと同時に柔らかくしておくことが大切だという。成長が著しい第二次性徴期は故障のリスクが高まるため、スポーツ医学に基づいたケアを徹底している。

 トミー・ジョン手術の“権威”である慶友整形外科病院の古島弘三さんは、投球フォームが肩肘に与える影響について指摘。特にインステップ(右投手の場合、三塁側に踏み出す)は骨盤の回旋を妨げ、結果として肘の内側靱帯への負担を増やす傾向があるという。このリスクを軽減する鍵は「股関節の柔らかさ」にある。骨盤が回りにくいフォームであっても、股関節をストレッチでほぐしておくことで、上半身への過度な負担を分散できる可能性がある。座った状態で膝を倒すなどの動作により、日頃から下半身の可動域を広げたい。

 単なる練習の継続ではなく、科学的な根拠に基づいたケアの習慣化も伴うことが、結果としてパフォーマンス向上の近道になる。周囲の大人たちは知識を更新し、選手の異変に寄り添う姿勢で、安全な野球環境を形作っていきたい。

・痛みがない場合もエコー検診等で初期段階の異常が見つかるケースがあるため、定期的なチェックを心がける。
・ローテーターカフなど肩肘周りの筋肉をストレッチでしっかり伸ばすことが、関節の安定と予防につながる。
・股関節など下半身のストレッチを習慣化することで、インステップ等のフォームに起因する肩肘負担を軽減できる。

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