元燕の盗塁王が教えるスタートの切り方 プロは投手のどこを見ているのか

プロの当たり前に驚愕 韋駄天たちが見せた盗塁のコツ

「プロの当たり前とアマチュアの当たり前に、ここまで差があったとは」。古田敦也さんの公式YouTubeチャンネル「フルタの方程式」の視聴者から、驚きや感動の声が漏れた。プロの世界で足を武器にしてきた選手たちは、相手投手や捕手のどこを見ているのか。“当たり前”のレベルは想像以上だった。

 足のスペシャリストたちは、盗塁のスタートを切る時に投手のどこを見ているのか。通算234盗塁を記録し、1992年に盗塁王に輝いた元ヤクルトの飯田哲也さんは「最初に動くところを探す」と答えた。投手には、それぞれ特徴やクセがある。飯田さんは投手がモーションに入る時に最初に動く体の部分を見つける。小さくうなずいてから投げる投手、軸足をわずかに動かしてから投球する投手。最初に動く部分に神経を集中させて、スタートを切っていたという。

 ヤクルト時代のプロ1年目に32盗塁で新人王に輝いた笘篠賢治さんは「ぼんやりと投手を見ていた」と明かした。投手の全体を見た方が最初の動きに気付きやすく、その動きで盗塁の一歩目を踏み出した。

 そして、足のスペシャリストが見ているのは投手だけではなかった。飯田さんは投手がセットポジションに入る時にはリードを取り終えて、捕手を観察していた。「いい走者は、リードしながら横目で捕手のサインを見ている」。素早くリードを取って、捕手のサインを見ていたという。けん制のサインが分かれば、それ以外のサインを捕手が出した時に迷いなくスタートを切れる。変化球のサインを把握していれば、盗塁を成功させる確率も上がる。

 古田さんも現役時代に走者からサインを見られていたと明かし「プロに入った時に驚いた。走者に『見ないでよ』という感じでサインを出していた」と振り返った。視聴者は「プロの当たり前とアマチュアの当たり前に、こんなに差があったとは」、「小学生に戻って、こういう理論を覚えながらプレーしたい」など、驚きと感動の連続だった様子。コンマ何秒の世界を競う盗塁には、プロの技術や駆け引きが詰まっていた。

(First-Pitch編集部)

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