“初見”の子どもに「アドバイスはしません」 元巨人守護神が恩師から学んだ指導論

文:間淳 / Jun Aida

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西村健太朗氏「合わなかったら『やらなくていい』と伝えている」

 最初は見るだけ。元巨人の投手で現在はジャイアンツアカデミーでコーチを務める西村健太朗さんは、“初見”の少年野球の子どもたちに対してほとんど指導しないという。アドバイスを送るのは複数回見てから。根底にあるのは現役時代に薫陶を受けた“名伯楽”の指導スタイルだった。

 2018年シーズンを最後に現役引退した西村さんはジャイアンツアカデミーのコーチに加えて、年末に開催される「NPB12球団ジュニアトーナメント」のジャイアンツジュニアで監督を務めている。少年野球の子どもたちを指導する上で大切にしているのは、初めてプレーを見た選手にアドバイスをしないことだ。

「最初は見ているだけで、ほとんどアドバイスはしません。何度か見ていくうちに気になったポイントは伝えていますが、試してみて合わなかったら『やらなくていいよ』と伝えています」

 西村さんは、自身のアドバイスは子どもたちへの答えではなく“参考”だと考えている。それぞれの選手に合った投げ方があり、特定の方法が全ての選手にふさわしいとは限らないからだ。

【次ページ】現役時代に助言を受けた小谷正勝氏の指導法を参考

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