「単純で飽きがち」なキャッチボール上達の近道は? 12球団Jr.輩出名門が勧める“全方向スロー”

文:First-Pitch編集部

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町田玉川学園少年野球クラブ・菊池拓平監督が伝える投げ方の“体幹・胸郭の意識”

 野球の基本「キャッチボール」が上手くなるために必要なものとは――。野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が20日、投げ方に悩む選手、指導者たちに向けた5夜連続のオンラインイベント「投球指導week」を開催。これまでNPBジュニアを11人輩出した東京都町田市の「町田玉川学園少年野球クラブ」の菊池拓平監督が登場し、投げ方が良くなるキャッチボールの方法を紹介した。

 個々の育成に定評があり、現在は80人を超える部員を抱えるチームを指導する菊池監督は「特に低学年の選手の能力差はかなりあります。それに合わせていくのが一番難しい」と語る。学年ごとのカテゴリーに分けるのではなく、野球歴で練習内容を変える指導も必要だという。そこで菊池監督は、野球初心者から取り組める「投げ方が良くなるキャッチボール」を紹介。特に上・下・横の3つのスナップスローに注目が集まった。

 まずは「横のスナップスロー」。下半身を肩幅に固定して、肘を90度に曲げながら胸の後ろまで引き、横滑りのようなイメージでスローする。次は「下のスナップスロー」で、軸足(右投げなら右足)で立ちながら地面に置いたボールを拾い、そのまま投げていく。そして、「上のスナップスロー」はボールを持って3歩ほど歩き、最後に軸足踏み切りで投げる。

多賀少年野球クラブの辻正人監督も絶賛「飽きない練習法として素晴らしい」

菊池拓平監督(左)と辻正人監督【写真:編集部】

 ポイントは手首を使わず、体幹や胸郭を大きく使うこと。ボールを持つ手に意識が集中しがちだが「それでは送球が安定しないので、体を大きく使ってほしい。子どものうちに色々なスローイングのパターンを覚えてほしい」。上のカテゴリーになれば難しい体勢からの送球も必要になる。だからこそ、幼少期から多くの引き出しを身に付けてほしいという。

 菊池監督は他にも様々なキャッチボール方法を紹介。ゲストコメンテーターとして参加した滋賀・多賀少年野球クラブの辻正人監督も「子どもたちは単純なキャッチボールでは飽きてしまう。色々な角度から飽きない練習法として素晴らしい取り組みだと思います」と、何度も頷いていた。

 野球を続けていくために必須となる“正しい投動作”。送球、守備、打撃を含め、野球のスキルを上げるには「コツコツと地道に積み上げていくこと。それも1つの能力です」と、菊池監督は継続することの大切さを訴える。土日のチーム練習だけでなく、平日もできる範囲で個人練習を続けていくことが大切だという。

 5夜連続で行われた投球に特化したイベント「投球week」は盛況のうちに幕を閉じた。次回は打撃に特化したイベントを来年2月に開催予定。全国の一流指導者たちの“思考”を知る貴重な機会になりそうだ。

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