高校・大学で気づいても手遅れ? 168cmで150キロ超…専門家が説く“球速アップ術”

公開日:2024.07.14

更新日:2024.08.25

文:橋本健吾 / Kengo Hashimoto

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中日・小笠原慎之介投手らを輩出…長坂秀樹氏考案の「ピッチング体操」

 体が小さくても努力と工夫次第で対等に勝負できる――。現役時代に身長168センチながら、最速152キロの直球をマークした長坂秀樹さん。現在、神奈川県藤沢市で開いている野球塾では「体の使い方を覚えれば、背の高い選手にも勝負できる」と小・中学生に指導を行っている。

 長坂さんは長野・東海大三(現・東海大諏訪)時代にエースとしてチームを甲子園に導き、東海大卒業後は米国やカナダなど世界4か国でプレーした実績を持つ。プロ野球の世界に入ることはできなかったが、指導者になってからは中日・小笠原慎之介投手ら数多くの選手を世に輩出している。

 野球でも他のスポーツにおいても、高身長はアドバンテージをもたらすことが多い。出力、将来性など無限の可能性を感じさせるが、長坂さんは「自分の思った通りに体を使うことができるかが大事。大谷(翔平)選手(ドジャース)のように“大きくて柔らかい”なら勝ち目はないですが、大概はそうじゃない」と指摘する。

 技術を覚える前の段階から重視しているのが「柔軟性」だ。肩甲骨、足首、胸郭など柔らかくしたい部位があるが、より大切にしているのが股関節。股関節の硬さは、肘、肩、膝など多くの怪我の原因につながっているという。

「動く部分で幹になるのが股関節。根っこが足で、枝は腕。しかし、多くの選手は幹がしっかりしていないのに“果物”をつけたがる。高校、大学生とレベルが上がっていくなかで気づく選手がほとんどです。大人になってからトレーナーに指導を受けて改善するのは、時間のロスでしかありません」

反動が大きい分、難しい制球…だからこそ必要な体幹強化

野球塾を運営する長坂秀樹氏【写真:伊藤賢汰】

 指導の中で最も生徒から求められるのは、“球速アップ”のコツだという。長坂さんが低身長でも150キロを投げられた理由は、「無駄なく球に力を伝えられるか」を追求したからだ。

 長坂さんは重力、遠心力を分析し、理にかなった投球フォームに近づく“ピッチング体操”を考案。投球の際に上げる足を前後にスイングし、加速したところで膝を胸元まで引き込んでステップしていく。160キロを投げるロッテ・佐々木朗希投手が、高々と足を上げて始動する“朗希投法”は、球速アップにはもってこいだという。

「足は伸びきったところで加速するので、そこで(膝を胸元に)引き込んでいく。それを体現しているのが佐々木投手。下に重力をもらいながら、足を振り上げる。ただ、反動が大きい分、制球は難しい。だからこそ、体の幹である“体幹”の強さが必要になってきます。一気に技術を求めると、逆に遠回りになることがあるので注意しないといけません」

 佐々木は192センチの高身長だが、低身長でも諦める必要はない。柔軟性を高め、体幹を鍛えた上で、工夫次第では球速アップに十分つなげられる。そのためにも、まずは自分の体を知ることが成長の近道になる。

【実際の動画】足をブラブラ→一気に引き上げて“加速” 球速アップに導く「ピッチング体操」

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