軸足の側面を投げる方へ向ける
深田さんは、野球教室の中で自分から見て“逆Tの字”をラインで描き、軸足を横線に、踏み出す足を縦線に合わせて投げる練習を繰り返し行わせ、両足の置き場所の意識付けを図っている。足元に目印を描いただけで送球が安定し始め、10メートルほど先に置いた集球ネットに次々とボールが入っていくようになる。
「右足の側面を投げる方へ向けることができたら、左足の位置も自然と決まります。ステップを踏んでキャッチボールを行うのであれば、左足の側面に右足の側面をぶつける意識を持ってください。右足の動きによって左足が投げたい方向に向いてくれます」
体が小さい頃は、遠くへ速いボールを投げようとして腕の力に頼りがち。そのため、踏み出す足が地面につく時には、ボールを持った方の手首が外側を向く傾向にあるという。これでは手首のスナップが効かず、回転のかかったボールは投げられない。
「野球を始めたてのころは、ボールを投げる時、みんな腕に意識がいってしまい、上腕二頭筋が筋肉痛になる子が多いです。これだとボールを使ってずっと筋トレをしているようなもので怪我しやすい。胸が筋肉痛になってほしいんですよ。もっと大きな筋肉を使ってボールを投げる意識を持ってほしいですね」
投手でも野手でも、いい投げ方をすればいいボールを投げられ、アウトを取る確率も上がる。怪我も未然に防ぐことができる。深田さんはまず「投げる」という動作を通じて、野球を好きになっていってほしいと願っている。
〇深田健成(ふかだ・けんせい)1993年(平5)12月28日、大分県生まれの29歳。明豊中から明豊高に進み、2011年夏の甲子園に出場。3回戦の関西(岡山)戦で二塁手として大会史上7度目のトリプルプレーを完成。東京国際大では4年時に主将を務めた。卒業後は精密機械のルート営業をしながら軟式野球部に所属し、2019年株式会社GXA入社。23年4月より中学硬式野球の城東ボーイズ監督を務める。身長1メートル65センチ、体重60キロ
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