外野ノックの際、周りのチームメートからの声かけに“待った”
マリナーズのイチロー氏(会長付特別補佐兼インストラクター)が、成長を促す「外野ノック」の方法を説いた。3、4の両日、静岡県立富士高をサプライズで訪れて指導。外野で打球を追っている選手たちに対し、周囲からの声かけに“待った”をかけた。
高校生だけでなく、少年野球や中学生世代でも何気なくやっている選手は少なくない。複数人で外野でノックを受けている際、チームメートは打球方向についての“助言”をする。「前、前」「後ろ、後ろ」……。一見、親切心にも受け取れるが、球界の大レジェンドは練習をいったん止め、こうアドバイスした。
「タイム。前とか後ろとか、なし。練習では自分で(打球を)判断しよう」
当然、試合ではひとり。誰も助けてくれず、一瞬の判断が結果を大きくわけることもある。人の見立てに頼ることなく、自ら感覚を研ぎ澄ませていくことは重要。NPBで7年連続ゴールデングラブ賞、メジャーで10年連続ゴールドグラブ賞に輝いた名手の言葉は重かった。
ゴロにチャージしてバックホームする練習では、捕球時に減速してしまう選手に「もったいないよね。せっかく後ろからいっているから、その力をなるべく生かしたい。止まってしまうとゼロに近くなる」との助言も。「(捕球する時に)なるべくグラブは縦に」「キャッチボールと一緒で慌てないで、形をつくって」などと伝えていた。