打撃ネットから距離を取り、大股でステップしながらトスを打ち返す
打撃練習で取り入れるティー打撃には様々な種類がある。構えてトスを上げてもらいスイングするオーソドックスなものから一歩進んだものの一つが、体重移動を意識させる「歩行ティー打撃」だ。今春の日本リトルシニア全国選抜大会を制するなど全国制覇5度を誇る中学硬式野球の強豪「取手リトルシニア」では、ティー打撃にも工夫を凝らし打撃技術の向上に取り組んでいる。
打撃で重要なポイントの一つに体重移動がある。下半身を意識し、軸足に乗せた体重を前に乗せてスイングすることで、力強い打球を生み出すことができる。苦手な選手ほど、腕や上半身だけの力任せのスイングとなりボールに力が伝わりにくい。
体重移動をスムーズに行うために取手シニアが取り入れているのが、歩きながら打つ「歩行ティー打撃」。チームを全国制覇に5度導き、多くのプロ野球選手も育成してきた石崎学監督は「軸足からついての体重移動が一番のメイン。(体重が)残り過ぎる子もいる」と意図を説明する。
打撃ネットから距離を取り、右打者なら右足、左足と大股でステップしながらトスを打ち返す。歩く動作を入れることで、自然な体重移動を掴むことができる。中学、高校、大学とカテゴリーが上がるにつれ、投手のレベルも上がっていく。近年は「投高打低」が続いているだけに、強い打球を生む体重移動を身につけたい。