左打ちは有利か、硬式は中学からやるべき? 高校球児も指導する元プロの見解は

公開日:2022.02.25

更新日:2022.05.18

文:宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki

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ヤクルトで活躍した飯田哲也氏は現在、拓大紅陵高の非常勤コーチを務める

 最近は右打ちの子どもを幼いうちに「左打ち」へ変える保護者や指導者が増えている。左打席の方が一塁に近く、凡ゴロが内野安打になる確率が高いと考えられているからだ。他にも、中学で軟式と硬式どちらで子どもをプレーさせるべきか悩むという保護者の声を聞く。実際にその局面に立ったことのある野球解説者で現在、母校の拓大紅陵高で非常勤コーチも務める元ヤクルトの飯田哲也氏に聞いた。

 昨年のセ、パ両リーグの打率上位10傑を見ると、いずれも左打者6人・右打者4人で比較的拮抗していたが、2020年はいずれも左打者7人・右打者3人で、しかも1位から6位までを左打者が占めていた。

 飯田氏自身は右投右打で野球人生を通したが「左打ちの方が有利であることは間違いない」と言い切る。「個人的な感覚では、左打ちの方が一塁へ2歩分、約2メートル近い。足の速さが同じなら、左打ちの方が年間5~10安打多く、打率も2分以上高い気がする」と語る。

 入団2年目には左打ちに挑戦したことがあったが、「うまくいかず、間もなく断念しました」と苦笑する。「右打ちでガンガン打てている子はともかく、打撃で苦労している子、特に足が速い子は左打ちにチャレンジしてみる価値は十分ある」というのが飯田氏の見解だ。

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